『Lair of Torment(苦悩の隠れ家)』とは?
インフォメーション
開発 / 販売元 | Admia, a1esska, Notex / Admia, a1esska, Notex |
対応機種 | Steam |
価格 | Steam:¥470 |
ジャンル | ホラーアドベンチャー / パズル |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2023年10月18日 |
どんなゲーム?
『Lair of Torment』は一人称視点のホラーアドベンチャー。
地下にある精神病院に危険な父親がいるので(開始1分で知ることになる)
その悪(父親)を滅ぼすために主人公(息子)が病院に入る、というゲーム。
ゲームオーバーの概念も、セーブの概念もない。
ちょっと設定を変えようとタイトル画面に戻るとイチからやり直しなので注意してほしい、筆者は引っかかった。※注意書きなどはない
本作はゲームを進めて物語の謎を解く、というよりはパズル的な謎解き要素が強いゲームとなっている。
パズルを解いて、病院の最深部を目指そう。
ストアページではウォーキングシミュレーターとジャンル分けされているが、実際はパズル要素強めのホラーアドベンチャーと言っていいだろう。
パズルの謎解きの難易度が高いと感じたので、このゲーム買うべき?のコーナーのあとには攻略コーナーも用意してあるので、詰まった場合はそちらを役立ててほしい。
攻略コーナー以降はネタバレ有なので注意。
本作の面白さ
ちょこちょこ様子を見に来る父さん
ドアを一瞬開けて、息子の様子を確認するピエロ父さん
息子を倒すのは私だ、と敵なりの安否確認をしているのか
それとも本当に心配しているのか。
ちゃんとエンディングを迎えたら分かるので期待してプレイしよう。
難しいパズル要素で頭の中がピエロに
本作はクリアまでに1時間ほどかかるくらいのボリュームなのだが、謎解きが難解。
そのため攻略コーナーを設けることにしたので是非活用してほしい。
ちなみに筆者はこの画像のパズルには30分奪われた。
精神病院要素ゼロ
精神病院にトロッコがあるの?知らなかったよ。
このトロッコだけではなく、待合のような開けた場所も、診察室のような場所も、医療器具も見当たらなかった
ツッコミ待ちなのか?そうなのか?
でもちゃんと怖い父さん
せっかくのホラーなのに病院が病院っぽくないから、怖くないのかな?と思う方がいらっしゃるかもしれない。
しかし絶妙なタイミングでちゃんと脅かしてくるし、ストーリーもちゃんとホラーなので安心してほしい。
ピエロ父さんとか興味深々なんだけど、このゲーム買うべき?
まず値段とボリュームの関係から考えると
470円で1時間ほどのボリューム。ストーリーや謎解きの難易度を考えても、あまり文句が出るとは思えない良心的な値段設定と言えるだろう。
ゲームの全体的な構成も
雰囲気は良く、ホラーもしっかりホラーしていて、パズルも意味不明なものは無かったので不満はあまりなかった。
チープなインディーホラーが好きな方は遊んでみてもいいと思う。
攻略(ネタバレあり)
このコーナーでは要所の謎解きの答えをお伝えしていこう
1.コンセントその1
横に同じ配列のラクガキがあるので、上下の同じ落書きと同じように各セット、コンセントを刺す
上段を数字に、下段をアルファベットで
1 2 3 4 5
A B C D E として
「1とC 。2とE。3とA。4とD。5とB 」が答えだ
2.肖像画パズル
横の肖像画をヒントに4つの正解のスイッチを押すと扉が開くパズル
壁やトロッコで通った場所などに4人の名前の落書きがあるので、その4人の名前の位置にある数字を押そう
ちなみに最初にトロッコで通ったときには名前が表示されないので、一度戻る必要があったりする
名前はそれぞれ、『Bryson, Lucas, Oliver, Naom』だ。対応する数字は
「1 3 4 7」
全て押すとゆっくり扉が開く
3.コンセントその2
悪魔のパズル
筆者はこのパズルで30分詰まった。この記事を見に来た方は、これ目当ての方が多いかもしれない。
道中に、色について書かれた文字のセットの落書きが6カ所あるが、それがヒントだ。書いてある文字は
「レッド+イエロー」
「ブルー-グリーン」
「ブルー+ブラウン」
「レッド-ブルー」
「レッド-レッド」
「パープル+グリーン」の計6つ。
答えは、各色が反対になってはめ込まれていれば良い。
黄色には赤、緑には紫、青にはブラウン
それだけのことなのだが、このヒントの文字からこの答えを導き出すのは中々難しいように思う。
レッド-レッドとは何なのか、未だに分からない。
もし分かる方がいらっしゃればコメントなどいただけると嬉しい。
4.スイッチ
3のパズルに行く前に、とあるドアに4つの月が書かれた張り紙があったことに気付いただろう。
3を解いた後、その張り紙の月に対応する数字を、今までのパズルと同じようにスイッチに当てはめるだけだ。
答えは
「1 4 7 10」
5.バルブを回すパズル
3つのバルブを回すだけ。
1つだけ取れたバルブがあるので拾って、テレビとソファがあるスペースの壁にこのバルブをはめ込み、合計3つのバルブ全てを回そう。
ちなみにバルブ回したら普通は水が止まったり出たりするのだが、このバルブを全て回すとなぜかチェストが動く。
おそらくその理由はピエロにしか理解できない。
感想レビュー(ネタバレあり)
精神病院なのに何ひとつ病院要素がなかったり、父さんはかわいかったり、パズルは難しかったり。ツッコミどころの多い作品ではあったが、インディーのホラーとしては良作の部類に入るのではないだろうか。声もなく、文字もなく、ただ演出だけで訴えてくるホラーというのはシンプルで分かりやすく、ユーザーがゲームに入り込みやすい。説明をしないからこそ、ユーザーは想像し補完する。そこにインディーならではのチープさが混ざることによって、インディーホラーは楽しくなる。逆に本作が精巧に作られていたらどうだっただろうか。病院らしい病院、語られる父と子の愛と悲しみのストーリー、丁寧なヒント付きのパズル。そんなものはいらないのだ。医療器具がなくたっていい、トロッコがあってもいいし、いやあったからこそ良い。それはお金のかかったゲームでは逆になし得ないことなのだ。そのインディーホラーゲームへの愛おしさを語り出すと止まらないと思うのでこの辺にしておくが、本作は良作のインディーホラーということだけは伝えたい。
考察(ネタバレあり)
衝撃のエンディングだったことだろう。
ナイフを手に取った主人公が階段へ向かうと、突然恐怖のピエロ父さんがダイブしてくる。確実に不意打ちをくらったかのように思ったが、なぜか逆に主人公が父親の頭をナイフで刺し、目的を達成している。前から飛んできたのにも関わらず、確実に死ぬ後頭部に深く突き刺さっているのは殺意以外の何ものでもないだろう。もともと倒す予定だったのでミッションコンプリート、と思いきや、ピエロ父さんは化粧などしておらず、マスクをかぶっていたことが分かる。その後マスクが勝手に動き、主人公はマスクに装着されゲームはクリアとなる。
このエンディングを考察するとしたらこうだろうか
マスクがビッグダディ
マスクは寄生した人の親しい人物を呼び、次の宿主を探している。まるで寄生虫である。病院の最深部が宗教的な部屋だったので、何かの儀式に人間の生贄が多く必要なのかもしれない。タイトルの翻訳が『苦悩の隠れ家』なので、きっとこのマスクも苦労して宿主を探していたのだろう。だからたまに心配してくれていたのだ。これまで生贄としてきた数多くの犠牲者のことも気にかけてきたのだろう。本作で心配するようにこちらを見ていたのは父さんではなく、偉大なるマスクさんだったのだ。
関連リンク
◆『Lair of Tornment』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで配信した『Lair of Tornment』のアーカイブ動画
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@2023 Admia, a1esska, Notex