この記事では、『Grunn』の全11エンディングすべてクリア済の筆者が
◇前半ではゲームの概要から魅力・どんな人におすすめ?をご紹介
◇後半ではネタバレありの攻略・考察・全エンディング紹介、感想レビューなどのパートを設けています
既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。
※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。
『Grunn』の基本情報
開発 / 販売元 | Sokpop Collective, Tom van den Boogaart / Sokpop Collective |
対応機種 | Steamのみ |
価格 | ¥1500 |
ジャンル | ホラー / ミステリーホラー / シミュレーション |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2024年10月5日 |
コピーライト表記 | © 2024 Sokpop Collective, Tom van den Boogaart |
ゲーム概要
『Grunn』は、オランダ北部の田舎町にある地味な村が舞台のゲームです。あなたは、週末に手入れをするために雇われた庭師。背の高い草を刈り、野生の生け垣を整え、枯れた花に水をあげたりしましょう。
(Steamストアページより引用)
どんなゲーム?
『Grunn』はオランダ北部の田舎町が舞台の
一人称視点のミステリーホラーゲームだ。
プレイヤーは庭師を操作して
週末の2日のうちに
ハサミで雑草を切ったり、コテで地面を慣らしたりして
依頼人の庭の手入れをしていこう。
しかしゲームを進めると、道具がなかったり、知らない人にストーカーされたりと変なことばかり……。
ちりばめられたポラロイド写真をもとに
いなくなった依頼人や、なくなった道具を探して物語の真相を知ろう。
本作の魅力
えも言われぬ恐怖
人を見つけて話かけても、意思疎通できる相手はいない。
ストーカーもいるし、心霊現象も起こるし、カタツムリはレースをしている。
こんな狂気じみた世界で、ひたすら無言で作業をする主人公にも謎が多い。
あなたはこの恐怖に耐えられるだろうか。
ミステリーホラー
この庭にはたくさんのポラロイド写真が散りばめられている。
必ず何かの手がかりになっているので、うまく活用して行ける場所を増やしていこう。
マルチエンディング
本作はマルチエンディング形式をとっている。
全部で11種類もエンディングがあるので、エンド回収で詰まったら下記の攻略パートを活用してほしい。
どんな人にオススメのゲーム?
どんな人におすすめ?
- 庭師のシミュレーションゲームが好きな方
- ミステリーホラーが好きな方
- マルチエンディング形式のゲームが好きな方
本作はなんと言っても庭師のシミュレーションミステリーホラーゲームだ。庭の手入れができなければ物語が進まないため、庭作業を好まない方にはオススメできない。それを前提に、不気味で広大な舞台があなたを迎えてくれるので、恐怖を抱きつつもミステリーを解いていくミステリーホラーの楽しさも十分ある。また、マルチエンディング形式なので1つのエンディングを見た後、また別の世界を見つけて新たなエンディングに到達すると達成感がハンパない。そして初見でも30分ほどで1つ目のエンディングに到達できるし手軽に遊ぶこともできるゾ。ちなみに筆者が全エンディングを回収したときのプレイ時間は4時間と少しだった。気になった方はぜひ遊んでみてほしい。
下記パートからネタバレ注意
◆攻略:全エンディングの到達条件・内容解説(ネタバレあり)
トゥルーエンド到達方法・条件
全エンディングを紹介する前に、トゥルーエンドを到達するにはどうしたらいいか、それを解説していこう。
やることが多いので、ゲームスタートからトゥルーエンドまでに必要なことを細かくリストにしてお伝えしていこう。
各扉やアイテムなどポラロイド写真を持っていないと出現しないが、ここを見に来ている方はだいたいゲットしていると思うので割愛する。(写真どこでゲットしたか忘れた)
土曜日の午前中(11:45までにやること)
- バスの1番後ろの座席からコインをゲット
- 家の裏にあるパドルとコインをゲット
- 家の中にあるハサミとトイレの鍵をゲット
- 家に向かって右手奥の腐った板を外し奥に行き、車のトランクからハンマーをゲットし、横の家から庭の鍵をゲット
- ハンマーをゲットした横の壁をハサミで壊し、向こう岸にある故庭師がいる地下室に行き、コインとコテをゲット(閉じられる門はハンマーで壊し脱出することができる)
- その足でガソリンスタンドの方面に向かう。ガソリンスタンドの反対側の休憩スペースでコインをゲット
- 休憩スペースの裏、ゴミがたくさん捨ててある中心にあるモグラ塚を掘り、ライターをゲット
- ガソリンスタンドの横で板をゲット
- ガソリンスタンドの横の草むらの奥に進み、テントのそばにあるトイレットペーパーをゲット
- バス停横の3つのパイロンのうち1つを調べてコインをゲット
- パイロンの横の墓石に供えられたツボをハンマーで割ってコインゲット
- 墓石の横から教会への扉のルートを開け、入ってすぐの看板の裏にある木を調べてドアノブをゲット(もしくは手入れ度20%を達成)
- ドアノブを使って教会横の通路に入り、マジックトランペットをゲット。その横にいるスケルトンをハンマーで叩き骨をゲット。レース中のカタツムリの横のコインもゲット
- 庭に戻り、ノームをハンマーで壊しコインをゲット
- 庭主の邸宅横のごみ置き場奥のコインもゲット
- トイレ前の、草原が鮮やかに光る場所あたりでマジックトランペットを吹いて恥ずかしがり屋のオブジェをゲット
- トイレの1番奥の個室でトイレットペーパーを使い、開いた道の奥で青いコインをゲット
土曜日の午後
- 教会の大きな井戸で青いコインを使い雨を降らせる
- 公園へ行き、雨を降らせてできた扉の奥へ進み、そこにあるロウソク5本にライターで火をつけて中に入る
- 中の商店にて、事務所の鍵、奇妙なディスク、コンパスをコインで購入する
- 商店から出て、犬に骨を上げて家の中に入り、おもちゃのボートをゲット
- 港の船に向かい、船の中の子どもにおもちゃのボートをあげ、背の低いオブジェを手に入れる
- 港の船の近くにある赤い自転車から民家前にワープし、奥の干し草の束に火をつけ、老夫婦から浄化された石を入手(超重要)
- 帰りにガソリンスタンドに寄り、事務所の鍵で事務所に入り、奥のパソコンに奇妙なディスクを挿入する
- 奇妙なディスクを挿入した状態で部屋から出ると、真っ暗な森に出るので、来たドアとは別のドアから出ると庭主の家に入ることができる。そこで教会の鍵をゲット
- 雨を降らせたことによって、トイレの近く花のマークのドアが開けられるので、中でフラワージェムをゲット
- 雨を降らせたことによって、庭から入れる迷宮に入れるので、迷宮の奥に行き、そこに座っている人をハンマーで3度叩き、背の高いオブジェをゲット
- ある程度時間が経つと、庭の壊したノームの近くの壁に奇妙なドアができているので、そこからキノコが生えているエリアまで行く。そのエリアで小人の像をゲット
- 時間をつぶして夜(0時)にし、教会の扉をノックして入る
- 教会の奥の台にフラワージェムを設置して地下室へ行く
- 地下にある4ヵ所に像の設置場所に、入手した背の低いオブジェ、背の高いオブジェ、小人の像、恥ずかしがり屋のオブジェを設置し、庭主の家へ行く
- 庭主と会話して屋根裏部屋の鍵をもらい、世界爆発までに屋根裏部屋で祝福された剣をゲットし、1階のキッチンの冷蔵庫奥で魂の断片Cをゲット、1階の廊下奥の部屋で魂の断片Aをゲット、2階の薬品庫で光るビンをハンマーで割り魂の断片Bをゲット
- 以上の条件を満たし、祝福された剣を装備した状態で最後の敵を剣で斬るとトゥルーエンド達成
そうだ、プロの庭師には日曜日は必要ない。
各エンディングについて
エンド1 闇
条件
1日の終わり、「夜」の状態で寝ずにしばらく過ごす。
内容
夜の状態でしばらく過ごすと、視界がどんどん闇にのまれていきエンディングに到達する。
備考
何も知らないと、たしかに最初はこのエンドに到達しそう。ちゃんと考えられたエンド1。
エンド2 溺れた
条件
コテを取って水没の罠を発動させ、脱出せずに建物の中に居続ける。
内容
水が天井にまで満ち、溺れたエンドに到達する。
備考
入口が閉まったあとにレバーを引かないと脱出できない。ちなみに入口のゲートはハンマーで壊すことができる。
エンド3 バス
条件
月曜日の朝、到着したバスで10コイン支払いチケットを購入し、ゲームスタート時に座っていた座席に座る。
内容
上記の条件で座席に座るとバスエンドに到達。
備考
ちゃんと仕事をして、ちゃんと帰る。普通のことが起きただけ。
エンド4 霧
条件
月曜日にバスに乗って帰らないで舞台の田舎町に居続ける。
内容
11時頃から深い霧が立ち込める。闇エンディング
備考
エンド5 奇妙な廊下
条件
日曜日の午後以降、主人公のベッドがある小屋に出来た別のドアに入り、奥の移動するドアを追い続ける。
内容
ドアを追い続けると空間が宇宙のような場所になり、ドアに追いつくも鍵が閉まっていて開かず、突如後ろから何者かに襲われエンド到達。
備考
ホラーっぽくていいけど、敵が1人じゃないっていうのが物騒すぎ。
エンド6 迷宮
条件
コンパスを持たずに迷宮に侵入する。
内容
迷宮を進むと通路が無限ループし、ループが解けると行き止まりの部屋に入り、主人公をストーカーする何者かにやられてエンド到達。
備考
迷宮にはコンパス。
エンド7 世界の終わり
条件
教会にオブジェを4つ捧げ、崩壊する教会まで到達し、世界爆発までのカウントダウンをオーバーするか、「浄化された石」を入手せずに最後の敵と対峙する。
内容
カウントダウンをオーバーしてしまうとエンド到達。また、浄化された石を持たずに最後の敵に対峙すると攻撃することが叶わず到達。
備考
絶対クリアしたと思ったのに。
エンド8 犬
条件
骨を持っていない状態で犬に近づく。
内容
怒っている犬に近づきすぎたために到達してしまうエンド。骨を持っている状態で、骨をあげなくても普通に通行できるので重要なのは骨を持っているかどうか。
備考
霧だったり犬エンドだったり、ホラー開発者はみんなサイレントヒルが好き。
エンド9 ピクニック
条件
庭、教会、公園の3ヵ所すべてを手入れ度100%に到達し、現れた道からブランケット(公園)、サンドイッチ(教会)を入手し、庭を100%にした際に現れるピクニックプレイスでピクニックをする。
内容
仕事を完璧にこなした人へのご褒美としてピクニックをすることができる。
備考
このエンドのすごいところは、エンド到達後に庭主から助けてと言われてループに戻されないので、普通に帰還できてしまったトゥルーエンドの面を持つことだ。ネタエンドがあるホラゲは余裕があっていい。
エンド10 聖なる花
条件
協会に咲く白い花を伐採し続ける。
内容
白い花を切るたびに鈍い低音が鳴り、最後は教会の墓地の幽霊たちが主人公を襲いエンド到達。
備考
本作の聖なる系は主人公を守ってくれる、逆もしかり。
エンド11 ハッピーエンド
条件
「浄化された石」を持った状態で最後の敵と対峙し、祝福された剣でその敵を倒す。
内容
最後の敵を倒し、庭主の体に魂が戻る。お礼の言葉を受け取り、正門から出てハッピーエンド到達。
備考
庭主の体はどこにあったんだよ。
考察:庭主の体はどこにあったのか? / 違和感の正体
考察①:庭主の体はどこにあったのか?
主人公はトゥルーエンドを迎える途中で、教会の中にある魂の欠片を3種すべて集めた。たしかに魂は回収したのだが、最後に庭主の家で会ったときは幽霊の姿だったし、その体はどこにも見当たらなかった。さらに以前の庭師が生き返るような描写はなかったので、おそらく体が死んでしまったら魂があっても戻ることはできないのだろう。ではその庭主の体がどこにあったのか、という疑問が残る。それを解決するのは最後の敵だ。最後の敵は複数の人間を操って主人公を監視していたので、庭主の体もまた生かされた状態で操られていたのだろう。大元の敵を倒す前から魂を開放していたので、庭主は即座に復元できたというわけだ。
考察②:違和感の正体
少しゲームを進行すると、庭主に仕事を依頼されたのは主人公だけではないことが分かる。主人公の場合、死んでしまうような場合であっても、庭主は庭師に魂の叫びを上げてループさせてくる。特に主人公が特別な力を持っているというわけではなさそうで、どちらかというと魂の状態で語り掛けてくる庭主の方が特殊な能力を持っていると言えよう。ではなぜ前の庭主は死んだままなのか、筆者の違和感の正体はそこだった。しかしそれは、前の庭師がどうあがいても庭主を助けることができなかった場合に説明が付く。つまり前の庭主もループを繰り返した上で、ひぐらしのなく頃によろしく、何百通りの失敗ルートを経て諦めてしまったのだ。剣士の墓標に剣を差すように、庭師の亡骸の横にコテが置かれたのだ。あちらはBADエンド。RIP。せめて主人公がトゥルーエンドを迎えられたのは幸いか。
感想レビュー(ネタバレあり)
ゲームは冒頭、依頼主もいない、道具もない、変な奴に尾行される、などの飲み込めない状況から始まり、最後にはこの場所で起こる災いを解決するまでに至る壮大な物語のミステリーホラーゲームだった。たしかに主人公の取れる選択肢は多いが、決して詰まるようには作られていないので丁寧なゲーム作りがなされていたように感じる。これが分かれば次はあれか!みたいに謎が解けていくので、ミステリーゲームの醍醐味を味わえる作品だった。エンディングの数もしっかり明記されており、自分の進捗状況が確認できるのも丁寧だったし、手に入れたポラロイド写真が残るのも、ユーザーストレスについてよく理解しているなと感心するほどだった。
エンディング数は11に及び、筆者の全エンディング到達時には4時間ほどかかっていた。まだ訪れていないエリアがあったり、全エンディングを回収したのにもかかわらず、実績はまだ半分しか解除できておらず、本当に遊びつくしたらまだまだ遊べるのではないだろうか。
公園の子どもたち全員に楽器を渡したり、ピザの箱をしっかりゴミに捨てたり、本作にはボリューム感、そして余裕が感じられた。エンディングを回収するために、数時間かけて最後の選択肢で別の選択肢を選ぶだけの分岐、しかもリロードができない、とかいうユーザーストレスフルなインディーゲームは多い中、ゲーム性が自由であり、やろうと思えばゲームスタートからトゥルーエンドまで10分もかからないという作りになっているのも素晴らしいと思う点だ。これが完成度の高いゲームというやつか。
最後に、筆者が本作に覚えた既視感は『Chants of Sennaar』だ。まったく喋らない主人公、そして言語が分からない相手しかいない中、まるで主人公を導くかのように点在するパズルを見ると、思わずその作品を思い出してしまった。センナールもそうだし、本作にも言えるが、主人公が喋らないゲームというのは当たりが多い。まあでも、エンド1の名前が霧だったり、エンド8の名前が犬だったりと、開発者が意識してそうなのはサイレントヒルではありそうだ。
関連リンク
◆『Grunn』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画の再生リスト【Grunn】クリア方法が全く分からない庭師ホラゲが怖すぎる
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