本記事では、DLC専用エンディング到達済みの筆者が
◇前半では未プレイの方向けに、ネタバレなしでゲームの概要や魅力をご紹介し
◇後半は既プレイの方向けにネタバレありで、本作のストーリーについて解説、考察、感想レビューしています。
どんなゲームか知りたい方や、クリアしたけどゲームの世界についてもっと詳しく知りたい、考察が見たい、という方に向けて執筆しています。
※なお『イーストワード よみがえれ!カモメ町』については別途
攻略メモの記事も執筆しているのでご活用ください。
リンク↓↓
-
『イーストワード よみがえれ!カモメ町』の攻略メモ【Eastward Octopia】
これから『イーストワード よみがえれ!カモメ町(Eastward Octopia)』を遊ぶ方に向けた、ゲームの攻略メモ記事です。
プレイした内容を振り返りながら、随時更新していく予定でございます。1人で作っているので、もし間違っているところとかあれば教えていただけると幸いです。続きを見る
『イーストワード よみがえれ!カモメ町(Eastward Octopia)』の基本情報
開発 / 販売元 | Pixpil / Chucklefish |
対応機種 | Steam / Switch |
価格 | Steam:¥700 Switch:¥700 |
ジャンル | 農場シミュレーション / RPG |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2024年1月31日 |
備考 | 本DLCをプレイするには別途イーストワード本体の購入が必要 |
ゲーム概要(任天堂ストアページより)
繊細に描かれたピクセルアートの世界を冒険するアクションアドベンチャーゲーム『Eastward(イーストワード)』に、大規模追加コンテンツ「よみがえれ!カモメ町」が登場!
ここは時空がぶつかるパラレルワールド。この世界での「珊(サン)」と「ジョン」は、平和な場所に落ち着いて新生活を始めていく。ここでやることは普通の農業と同じ。穀物を育てたり、動物を飼育したり、幽霊と話したりして、ボロボロの農場をよみがえらせよう!
どんなゲーム?
『イーストワード よみがえれ!カモメ町(Eastward Octopia)』は
農場シミュレーションアドベンチャーゲーム
元の『イーストワード』とはパラレルワールドとなっているが、
出てくるキャラクターはおなじみのRPGに出てきたキャラクターたち。
また、メインストーリーも存在しており、
実はこのDLCで元のストーリーを少々補完していたりもする。
そちらは下記の考察パートで語るとして、
前半ではネタバレなしでゲームの魅力についてどんどん語っていこうと思う。
ちなみに本編をクリアしないでもプレイ可能とのことだが、
本DLCは元のRPGをクリアしてから遊ぶのをオススメする。
でないとエンディングなど意味が分からないと思う。
本作の魅力
描かれるRPG編のキャラたちの日常
RPGの『イーストワード』はとても厳しい設定の世界だった。
一方本作は、そこで登場するキャラクターたちが
「もし平和なカモメ町で、スローライフを送ったら?」
という感じのノリ。
本作はパラレルワールドではあるが、キャラクターたちの性格は変わらない。
正直、ファンサービスとして最高のDLCだ言えよう。
あの発明好きの理系王女アルヴァが、自分の研究所を持って、イザベルと楽しそうに日々を送っているのだ。
もうこれだけで遊ぶ価値があると思う。
ゲームシステムがとにかく優しい
本作は農場シミュレーション……ではあるのだが、
おそらくそこにフォーカスはされていない。
台風もなければ
家畜に餌を与えないことによって餓死することもなく、病気になることもなく
なんと季節もない。
春の野菜「キャベツ」と
秋の野菜「にんじん」を植えて
同時に育つ。
農場シムというジャンルで考えると、これはこれで新しい気がする。
ちゃんとメインストーリーがある
農場シムなのだが、
やっぱり元がRPGなのでお話がメインと断言していいだろう。
おなじみのキャラクターたちを巻き込んで、カモメ町では一体なにが起こっていくのか、
ぜひ君の目で見てほしい。
ミニゲームも豊富
本作にはミニゲームもちょこちょこある。
特に釣りは新しい感じで、
この球体の水の隅を逃げる魚をひっかけて、
ルアーで追いかけて攻撃することによって、魚が釣れる。
筆者はこういう乱暴なシステムが少し好き。
農場シムと言えば鉱山である。
もともとジョンは鉱夫で採掘も得意だが、
本作で採掘してくれるのはアノ相棒。
リモート操作のため、安全に採掘が出来る。
農場シムに必要なもの、案外全部揃ってるのがスゴイ。
RPG本編遊んだけど買うべき?
RPGのイーストワードが好きなら100%買うべき。
筆者はDLCエンディングまで到達するのに15時間ほど遊べた。
大好きなRPGのキャラたちが、もし平和な世界で暮らしていたら……という夢のような話を、このDLCは叶えてくれる。また、農場シムとして必要な要素も一通りそろっており、イーストワードが好きで、さらに農場シムが好きな方だったら致命的な一撃でハートを奪われることだろう。筆者はリリースセールで595円で購入したので、
「マジで1000円払ってもいい」と何度思ったことか分からない。クリアして何も文句などはなかった。イーストワードが好きな方だったら、絶対買ったほうがいいマジのおすすめDLCだ。
メインストーリーの解説・まとめ(ネタバレあり)
※こちらはストーリーのまとめなので、内容を振り返ったり、知りたいって方以外は、このパートを飛ばして次の考察から見てもらってもいいかもです。
ストーリーまとめ
不動産営業のソロモンに案内され、タコの神様が昔住んでいたと言われる、「カモメ町」に移住してきたジョンとサン。自分の家と農地をもらったサンは喜び、これから2人は自給自足の暮らし、スローライフを送ることに。
数日後、町には新しい住民がやってくる。ウィリアム一行だ。ウィリアムと、その息子たち、ダニエル弟と兄の3人がやってきて、店を始めたいと言う。ジョンとサンはお店の建築に必要な材料を揃え「ウィリアム商店」が完成する。それと同時に、うなだれながら歩くソロモンが、ウィリアム商店の横で腰を下ろした。
どうやらソロモンは不動産業で失敗し、会社をクビになったようだ。その様子をウィリアムと観察していると、ウィリアムはジョンに希望として「焼き芋」を作ってソロモンに渡すことを提案する。数日してさつまいもが完成し、焼き芋にしてソロモンに持っていくと、ソロモンは大喜び。元のソロモンに戻ったのだった。そしてダニエルに導かれ、ソロモンと駅に向かうとウィリアムが待っていた。話によるとソロモンを招待したのもウィリアムだったことが分かり、ウィリアムに推薦され、ソロモンはカモメ町の駅長となった。
降りてくる人を待っていると、1人のお客さんが駅に訪れた。リーだ。リーはこの世界でも社長をしているのか、裕福そうだ。ところが駅長ソロモンの営業トークが少し癇に障ったのか、リーは怒ってしまい、詫びをしたいというならと「エビの蒸し餃子」を来週までに作ってほしいと言い、美味ければ町を宣伝してくれることになった。
料理の材料を準備している間に、町にまた新しい人々がやってきた。マング率いる兄弟建設の3人だ。しかし親方マングの様子が変だ。どうやらタマヤばあちゃんのキムチを食べてから記憶障害を引き起こしているらしい。ウィリアムによると、緑茶が効くらしいので同時進行で作ることにした。
緑茶の材料を作っている間に「エビの蒸し餃子」が完成し、リーがまたやってきた。リーに食べさせると感動し、約束していたカモメ町の宣伝をしてくれることになった。これからは町に人が押し寄せるらしい。
数日後、茶葉が出来たのでマングに緑茶を飲ませてあげた。するとマングは思い出し、息子たちに激怒する。そう、息子たちはマングの機械油を入れる場所にキムチを入れてしまっていたのだ。お礼として兄弟建設はしばらくこの町にいてくれることになり、ボードを通じて建築したいもの建ててくれるらしい。ジョンとサンはカモメ駅のリフォームをボードに書き込んだ。
少ししてリーからカモメ町の広告が出来上がったことを伝える手紙を受け取り、そこにはカレーのレシピも同封されていた。材料を集めてカレーを作ったその夜。寝ていたジョンとサンの家にUFOが突っ込んできた。新しい住民となるアルヴァとイザベルだった。どうやら地図の同期ミスで、無いと思っていた場所に衝突してしまったらしい。アルヴァとマングはこの世界でも知り合いで、お詫びとしてジョンとサンの家がリフォームされることになった。とりあえず住む場所もないアルヴァとイザベルに、作ったカレーをご馳走すると2人は大喜びし、そのお礼にと、サンはアルヴァから赤い靴をもらった。翌日、ジョンの家をリフォームするための材料を、ウィリアム家も支援してくれ、数日後にジョンとサンの新しい家ができた。中は以前の2倍ほどの広さになっており、地下室もできて、食材の加工をする機械を置くスペースもできた。
新しい家の中はテーブルも広く、住民を夕食に招待することもできるようになった。さっそくウィリアム一家、アルヴァとイザベル、兄弟建設、ソロモンを招待し、夜にはみんなで楽しくディナーを食べた。カモメ町は兄弟建設によって、アルヴァとイザベルの家や研究所ができたり、ウィリアム商店の増築がされたり、海へと続く道が出来たりと豊かになっていった。また、古い採掘場が見つかり、アルヴァの開発したソニックボーイと連動させることにより安全な採掘ができるようにもなった。
カモメ駅をさらに新しくすると、竣工式にはみんなが集まった。ところがアルヴァだけは姿を現さず、代わりにソニックボーイを寄越した。ソニックボーイを通じて会話し、今すぐ皆に、西に来てほしいと伝えた。そこは古いキャンプ場となっており、みんなこんな場所があったのかと喜び、パーティーをすることになった。パーティー中、ロケットのようなものの中に、謎の種があることにジョンは気づいた。アルヴァはそれを希望の種と呼び、ジョンが持つこととなった。
海に続く道ができ、海辺の北東に行くと、ねずみが入口を塞いでいる場所があった。チーズをあげるとねずみはいなくなり、その中はまた別の採掘場だということが分かった。そちらでもソニックボーイを通じて採掘ができるのだが、そこでの2回目の採掘をしていると、ソニックボーイを映す画面がバグった。異変に気付いたジョンは採掘場に入ると、動かなくなったソニックボーイと、変わった形をした、デカい冷蔵庫があり、そこからRPGの世界のマザーが現れた。マザーは時間地場の異変によって、こちらの世界に迷い込んでしまったという。アルヴァの協力のもと、マザーは元の世界に戻るまで、カモメ町にいることになった。
マザーが滞在している間にカモメ町は発展していき、本当の"町"の姿をしだしていた。数週間を経て、アルヴァは冷蔵庫を作り、壊れた冷蔵庫も修理されていた。マザーは元の世界へ帰るとき、一瞬だけジョンを連れていきたいと言った。
ジョンとマザーが冷蔵庫をくぐると、そこは列車の中だった。列車が止まると、そこはRPGの時間軸から考えると、かなり過去のポットクロック島だった。ジョンの家のすぐ横に列車は止まり、ジョンは降りる。ジョンの家のすぐ横に、ジョンは預かっていた"希望の種"を植え、ジョンは冷蔵庫からカモメ町へ戻り、サンと再会してエンドロールとなる。
エンディング考察(ネタバレあり)
西のキャンプ場のロケットの中に入っていた
"希望の種"とは何なのか?
このパートではそちらを解説していこう。
結論から言うと、この希望の種とは、RPGのポットクロック島の主食となっていた、
クラブアップルの種のことで間違いないだろう。
RPG本編では、"未来の学者が発見した"という設定になっており、
このクラブアップルが一体、どこからポットクロック島に持ち込まれたということがずっと謎で、さまざまな考察がなされていた背景がある。
そこに終止符を打ったのが本DLCのエンディングだ。
分かりやすく比較画像を作ってみたので参考にしてほしい。
ジョンはクラブアップルを植えて生活していたのだろう、RPG本編ではジョンの家の横に植えられていた。
一方DLCでは、陽が差し込み、島全体が整っていた過去のポットクロック島が描写されている。
どこから持ち込まれたか分からなかったクラブアップルの種は、パラレルワールドのジョンから持ち込まれたものだったのだ。
その種の実は将来のポットクロック島、すなわち未来の、タタリが来ない、逃げ込んだ地下の、ジョンたちの大事な食糧源となるから、希望の種というワケだ。
DLCはこの食糧がどこから来たか、を補完した作品だと言えよう。
感想・レビュー(ネタバレあり)
長編のRPGが、農場シムになったというインパクトのある触れ込みで注目を浴びた本DLCであったが、元がRPGらしく、農場シムとは言ってもメインが"お話"だったのは実に素晴らしかった。農場シムに必要な要素はしっかり押さえつつ、RPGで魅力的だったキャラクターたちが仲良く、平和な村で暮らしている本作は、開発からの最大のファンサービスと言うほかないだろう。ダークでシリアスなお話だった本編があったからこそ、対照的な世界の平和をかみしめることができたのではないだろうか。筆者は最初、知っているキャラたちと農場シムで遊べる、ぐらいにしか期待していなかったのだが、そちらは良い意味で期待を裏切ってきた。まさに、イーストワードという作品が、開発者たちがいかに愛しているかがよく伝わる作品だった。また、イーストワードはDLCリリース前から公式wikiがとても充実していたりする。ストーリー設定を補完する情報がそこに載っていたりと、本当に作りこみがすごく、愛されている。実は筆者はRPGは基本長くてダレるからあまりやらないのだが、イーストワードに関してはしっかり最後まで実況プレイした。それは最後まで遊びたい、と筆者に思わせるほどの濃い内容だったからだ。数百本もゲームを遊んでいると、ゲーム評価も厳しくなりがちだが、本編とDLC合わせたイーストワードに関しては、本当に素晴らしい作りこみの作品だった、と満点をつけてあげたい。
でもさすがに燃料タンクにキムチ入れるゴーワンとシルバはヤバすぎだよ。
小ネタ
ウィリアムのダニエル兄弟の呼び方
ウィリアムは息子2人のことを、まとめて
「ダニエルズ」と呼ぶ。
天気予報
ジョンとサンの農場のかかしの表情で、翌日の天気が分かる。
ちなみに天気予報はそれぞれ
・晴れ(笑顔)
・霧 (のほほんとした表情)
・雨 (口がへの字)
の3種類だ。
関連リンク
◆『イーストワード よみがえれ!カモメ町(Eastward Octopia)』のSteamストアページ、任天堂ストアページ
◆筆者がYouTubeで実況したイーストワード よみがえれ!カモメ町の配信アーカイブ
◆筆者のYouTubeチャンネル(ゲームの実況や紹介、たまに攻略やってます)
Pixpil Games © 2023. Published by Chucklefish Games.