ゲームレビュー

『UMIGARI | ウミガリ』の考察・攻略・ストーリー解説・エンディング紹介・感想レビュー

ひろてく

主にホラゲの考察や感想記事を書いてます。 ストーリー性の強い作品が好きで、たまに映画の感想記事も。

本記事では、全エンドコンプリートクリア済の筆者が

◇前半ではゲームの概要から魅力・どんな人にオススメのゲーム?をご紹介

◇後半ではネタバレありの考察・エンディング分岐条件などの攻略情報、エンド紹介・感想レビューなどのパートをお届けします

既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。

※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。

『UMIGARI | ウミガリ』の基本情報

開発 / 販売元Chilla's Art
対応機種Steam / Steam Deck
価格¥1500
ジャンルホラーアドベンチャー
プレイ人数1人
発売日2026年2月5日
コピーライト表記UMIGARI | ウミガリ © Chilla's Art, LLC® 2025 2026
All rights reserved.
ゲームインフォメーション

ゲーム概要

ウミガリは架空の 日本の霧深き海で繰り広げられる、一人称銛漁ゲームです。魚を狩り、獲物を売り、燃料を買い、船を強化していきます。大海原にひとり――探索を進めるほどに、奇妙な魚たちが姿を現します。 探索の果てに待つのは、奇怪な魚か、それとも――?

(Steamストアページより引用)

どんなゲーム?

女子高生(みうな)とフグ

『UMIGARI | ウミガリ』は3Dのホラーアドベンチャーゲームだ。

ゲームを開始すると、プレイヤーは砂浜で目を覚ます。

近くにいる怪しい魚屋からボートの使い方を教えてもらい神社へいくと、そこには女子高生みうなが倒れている。

話を聞くと、どうやら神社の壁にはめるための石板が必要らしく

それを集めるため、船を強化しながら怪しい海を越えていこう。

本作はチラズアートの新作ではあるが、ホラー要素はかなり控えめ。

ゲームの構成は、7割は魚を捕まえてお金を稼ぎ、船をパワーアップさせるシミュレーション要素

残りの3割はストーリーや不気味な登場人物たちを楽しむ形となっている。

クリアまでは4,5時間は遊べるほどのボリュームだ。

また、体験版はゲームが重いといった声も多かったようだが、リリース版になって最適化されたようで、パフォーマンスがかなり改善されたようだ。

さぁ、今すぐ海に出よう。

本作の魅力

魚を銛で狩るシミュレーション要素

主人公の肩すごすぎる

本作のメイン要素

なぜか魚を銛で獲って売るというシミュレーション要素に力が入っている。

あたり判定がシビアで、銛や船も細かくアップグレードできるため、

その手のやりこみ要素が好きな方にはたまらないだろう。

どこか美しい終末世界

終末世界感

本作の舞台は、終末世界感が漂う架空の日本となっている。

どこか癒されるような、美しいようなノスタルジーを感じるステージが多い。

今までのチラズアートになかった終末美学も体験できる。

チラズアートなキャラクターたち

いつもの

やっぱりこれがチラズアート。

もちろん本作に登場するヤバい奴は、この画像のおじさんだけではない。

約1年ぶりの新作だ、チラズ欲を満たしていこう。

どんな人にオススメのゲーム?(ネタバレなし)

あんずちゃん

どんな人におすすめ?

  • 魚獲りシミュレーションが好きな方
  • マルチエンディング形式のホラーゲームが好きな方
  • 5時間ほどのボリュームがあるゲームが好きな方

本作は何といっても魚獲りシミュレーションがメインのホラーアドベンチャーなので、魚を獲って売って船を強化するという、オーソドックスなシミュレーションが好きな方には必ず刺さる。それほど銛アクションがしっかりしている。

また、本作はマルチエンディング形式のホラーゲームだ。一応ホラー要素もあり、エンディングもちゃんと分岐するため、ゲームの全体的な構成はいつものチラズアートである。ただ、ホラー要素は正直なところ少な目なので、いつものチラズアートのホラーを求める方にはあまり合わないと思われる。

ただ、ボリュームは前作の『呪われたデジカメ』よりも多いため、1500円で5時間ほど遊べると考えるとなかなかコスパはいいので、遊びごたえのあるインディーゲームが好きな方にはオススメできる。

念を押して言っておくと、本作は全体的に今までのチラズアートっぽさがないため、チラズアートのホラーが好きな方にはオススメできない。実際、Steamでの評価も芳しくなく、本稿執筆時点(2026/2/8)でSteamのユーザーレビューステータスは289件中73%が好評の「やや好評」に留まっている。方向性を理解した上で購入することをオススメしたい。

下記パートからネタバレ注意

ゲーム攻略情報(ネタバレあり)

ブーストの入手方法

まと

ブーストは、ハジマリノ島に点在する、いくつかの洋上風力タービンのプロペラに的があるので、そこに銛をあててプロペラを動かすことによってプロペラからパーツが落下し拾うことができる。パーツを手に持って船に飛び乗ると装着可能。手に入れてからは魚屋を通じて強化もできる。

船の強化方針

フグさん

船の強化は船のスピードを最優先でOKだ。基本的に次のエリアで獲れる魚の価格インフレがすごいので、本作ではお金稼ぎのために1つのエリア留まるのはあまり効率がよくない。どんどん先へ進もう。

3つの石板の入手先

石版(完成品)

1つ目の石版

キミョウナ高校の海域の端を時計回りに泳ぐ「巨大マグロ」を倒して捕獲し、船に吊られた魚の口元にあるので触れると手に入る。泳ぐスピードが速いので、逆時計回りで迎え撃つのが確実。銛を3度当てると倒せる。

2つ目の石版

オソロシ駅にいる「巨大目玉魚」を倒して捕獲し、船に吊られた魚の口元にあるので触れると手に入る。深く潜っているので普通に投げても銛は届かない。魚影の近くに餌を投げると攻撃できるようになるので倒そう。

3つ目の石版

ナゾメイタ都市にいる「巨大陰サメ」を倒して捕獲し、船に吊られた魚の口元にあるので触れると手に入る。口の中が弱点なので突進を何度か避けることで中の人が出てくる。そこを銛で狙って倒そう。

マグノ君の居場所

マグロから足が生えたマグノ君。キミョウナ高校の屋上で出会い、その後逃げる彼だが、実はオソロシ駅の南の果てのほうでボードに乗って高速で移動しているのが見つかる。かなり移動速度が早いので、銛とブーストを最大まで強化し一気に近寄って捕獲しよう。ちなみに20万円で売れる。

金色のレア魚

飛行エイ(金)

本作で捕まえられる魚には色違いの魚がいる。単純に出現率が低いのか、特定の場所にいるのかは不明だが、通常の個体よりも高く売れる。レーダーに黄色く反応するため、レーダーを強化して探そう。捕まえて売ることで、ハジマリノ島の掲示板の魚リストに黄色い星マークがつくので収集したかどうかはそこで確認ができる。

魚の種類

お魚マップ(完成)

ハジマリノ島

フグ

100円。どこにでもいる。後半に手に入るひき肉機で餌にすると捗る。

マグロ

500円。浅瀬よりは少し深いところにいるので船で移動しながら捕まえよう。逃げも隠れもしないし遅い。最初の島のお小遣い。

キミョウナ高校

魚の頭

4000円。キミョウナ高校のガソリンスタンドの建物裏に銛に刺さっている。キミョウナ高校入学祝い金。お魚マップに登録される訳ではないが美味しいので載せた。

巨大マグロ

10000円。時計周りで泳いでいるので逆時計回りから仕留めよう。やっぱりマグロはうまい。

白学ラン魚

1000円。たくさん泳いでいる。うまい。

白セーラー魚

1000円。たくさん泳いでる。うまい。

学ラン魚

1円。高校内を泳いでいる。お金にはならない。

セーラー魚

1円。高校内を泳いでいる。お金にはならない。

アクオンモール

トビテウオ

6000円。ここから価格インフレが進む。だいたいどこにでもいる。止まっている船の近くではあまり飛ばないので、船で進みながら近くでハネたら狙おう。水中では高速移動をしているので捕まえるのは難しい。

タイヤンボウ

1000円。パーキングの場所付近を泳いでいる。簡単に手に入る割には高いので、お小遣い稼ぎにはいいかも。

ピカソラメ

3000円。電柱の照明に照らされる浅瀬にいる。捕獲は容易い。

アヤシゲナドーム

ナマノーズ

10000円。ここからさらにインフレが進む。ガソリンスタンド付近の浅瀬にもいるが、基本的には深い場所にいるため餌でおびき寄せなければ銛が届かない。

ニュウドウカジカ

2000円。群れになって泳いでいることが多く、よく移動しているがフグのように遅い。餌にしてナマノーズを釣る方がタイパがいいので餌にしてナマノーズを釣ろう。たぶんブロブフィッシュが元ネタ。筆者が遊んでいたらバグって回った。

ヒトイカ

3000円。餌に反応して飛びついてくる。墨を吐く、人間の顔の面影が残ったイカ。絶対に食べたくない。

オソロシ駅

巨大目玉魚

750000円。魚影の近くで餌を投げると銛が当たるようになる。コスパ最高の石版持ち。レーダーで容易く場所が分かる。

飛行エイ

32500円。だいたいどこでも飛んでいるときに捕獲しやすい。プレイヤーの視界に入ると逃げてしまうため、ブーストを強化して飛んでいるときに近づいて捕獲しよう。裏側がもう人そのもの。

ショクギョザメ

10000円。見た目がハンマーヘッドシャークことシュモクザメ。本作では名前の通りほかの魚を食べてしまう。移動スピードはそこまでないため、このエリアのお小遣い筆頭。

フェイドリン

10000円。工事現場付近に生息。観覧車でライトを入手後、ライトで照らすと銛が当たるようになる。レーダー+ライトで獲りまくろう。

ナゾメイタ都市

巨大陰サメ

1000000円。ひゃくまんえん。突進を移動で数回避けると口の中のヒトガタが出てくるので、そのタイミングでヒトガタに銛を当てよう。最後の石版持ち。

ジンメンリュウ

0円。エリア南西の海ノ産院近くでレーダーに反応する。プレイヤーが見ていると近づいてこないので、レーダーを見ながら床を見て、船のふちに手をかけてきたタイミングで銛を当てよう。泳いでいるときにも銛は当たるが、HPがほとんど減らない。

ケジキマグロ

40000円。エリア南東を群れで泳いでいる。スピードが速いのでブーストを用いて近づいて捕獲しよう。燃料との闘い。

ガブリズム

10000円。エリア北東の狭い場所に生息。船に突進してくる。突進されると燃料が減るので餌をオトリにして捕まえよう。

魚人魚

40000円。エリア北西の狭い場所に生息している。ライトで照らさないと見えない系。船に触れられると燃料が即ゼロになる、ラスボスも真っ青の最強の敵。

ストーリー解説・まとめ(ネタバレあり)

ストーリーけん引役

主人公は砂浜で目を覚ます。そこは小さな島になっていて、魚屋が1人突っ立っている。ここで獲れる魚を買い取ってくれるというので、一通り狩りをしてお金をため、燃料を買いその島を後にする。

島の近くには神社があり、そこには女子高生みうなが倒れている。意識はあるので話を聞くと、呪いを終わらせるために石板が3つ必要らしい。とりあえずみうなを乗せて船を出すと、みうなは途中の海で腰かけた船の縁から落ちてどこかへ行ってしまった。みうなの横にはなぜか小さな鐘が置いてあり、それを持って一度島に戻り魚屋に話を聞くと、鐘を近くのブイに取り付けてくれた。これで、危ない怪物「ウミガー」がいて渡れなかった海域も、銛を鐘に当てることでウミガーの動きが鈍り先へ進むことができるようになるそうだ。

2つ目の海域は「キミョウナ高校」。海域の中央には半分以上水没した高校があり、この海域の魚はなぜか学ランやセーラー服を着て泳いでいる。また、海域の端に目をやると、すごいスピードで泳ぐ巨大な魚影が確認できる。早いが、捉えられないスピードではないのでなんとか銛で仕留めると、口の中から1つ目の石板が出てきた。そして次は高校に入る。中はほとんど水没しているが、屋上に行けるようだ。屋上に行ってみると、制服姿の人間が見える。近づいて語りかけると、名前は「JKおじさん」というらしく、セーラー服を着ている。彼はクラスメイトに募らせた恨みをぶつけてきているようだが、話を聞いていると3種類の魚を獲ってきてほしいというので校内を探してみることに。思ったよりも近くにいて簡単に獲ることができたが、彼にそれを渡すと、彼は願いが叶ったようにそれを食べ始めた。報酬かのように鐘をくれたので、魚屋へ持っていくと、また別の海域のブイに鐘を取り付けてくれた。

3つ目の海域は「アクオンモール」。半壊した巨大なショッピングモールが、暗闇の中に佇んでいるのが見える。ここでは魚がトビウオのように海面から飛び出しては着水して泳いでいる。しかし、魚のエラは人間の手になっている。怪しげな雰囲気の中モールへ行くと、服売り場に「あんず」という子が立っている。話しかけてみると、たこ焼き屋「隠だこ」で働いている人に振り向いてほしいが、その人はモールに住み着いたタコに夢中らしく、そのタコを退治してほしいと依頼を受ける。隠だこで見つけたレーダーを船に取り付け、いざタコ退治。タコは擬態するので、レーダーを駆使してタコを見つけ、タコはあえなく銛の餌食に。タコを倒すと、隠だこの店員は叫び、モールの上階から飛び降りてサメとなってしまった。何が起こっているのか分からないが、とりあえずあんずが報酬に鐘をくれたのでこの海域を後にする。

4つ目の海域は「アヤシゲナドーム」。いつも通り近くのガソリンスタンドで燃料を補給し、近くにいたナマズを銛で獲ると、なんとナマズがしゃべった。獲れる魚はどんどん人間に近づいていっているような気がする。まぁそんなことは置いておいて、近くには半分水没した寮のような建物があり、中にはいると体が人間で顔だけ魚の半魚人のような生き物が何体もうろついてる。近づくと襲い掛かってくるので銛で撃退しつつ進み、最上階ではひき肉機が落ちているので拾う。すると警報が鳴り、半魚人たちが集まってくる。なんとか撃退して船に戻り、海域の中央にあるドームに行くと、魚屋の仲間がいる。話しかけると、ドームの中央に泳ぐ魚をたくさん捕まえて、仲間のダイバーたちの船に乗せればいいそうだ。なんとか30匹ほど捕まえてミッションは完了。報酬はいつもの鐘だ。

5つ目の海域は「オソロシ駅」。駅と言うだけあって列車が止まっており、そこには「りの」という人が怯えながらしゃがみ込んでいる。列車を出してほしいそうだが、この列車には運転レバーがないため、まずはレバーを探しに行く。駅の近くの観覧車で船のライトを見つけたので取り付け、その近くのコインランドリーに立ち寄ることに。そこには「潔癖症の男」が洗濯機の中で依頼を出してくる。どうやらライトで照らさなければ見つけられない魚がいるそうなので、その魚を3匹獲ってきて洗濯機で洗ってほしいらしい。よく分からない頼みだが魚を獲ってきて洗濯機に入れると、なぜか潔癖症の男が入っている洗濯機だけが高速で回りだし、男は意識を失って洗濯機から落ちてくる。洗濯機の中にはなぜか列車の運転レバーがあるので拝借し、列車に戻る。列車を出しても、りのはしゃがみ込んだままだ。列車が動いて少しすると、なぜか列車はうみぼうずに襲われる。巨大なタコのような姿をしており、触手で列車を攻撃してくるので銛で反撃する。戦いは長丁場となったが、列車は最終的に隣の駅についた。駅には潰れた人影と赤い液体が飛び散っていた。りのはそこに駆け寄り、お姉ちゃんのことについて語りだす。どうやらその人影は姉らしく、りのは姉を食べてしまったことを思い出したようだ。落ち込むかと思いきや、列車で懸命にりのを助ける姿から勇気をもらったようで、りのは姉の分まで生きることを決意し、駅のホームを降りていく。りのからはお礼に鐘をもらった。そういえば、この海域には巨大目玉魚という巨大な魚がいたのでひき肉機で作った餌で釣ることに。姿を現したところを銛で仕留めると、魚の口からは2つ目の石板が出てきた。石板はあと1枚だ。

次は最後の海域「ナゾメイタ都市」。この海域に入ると、異様に高い塔が目に映る。塔の足元部分に近づくと、なんとみうなが立っていた。どうやらモールから逃げたサメがビルに張り付いていて先に進めないため、迫撃砲で落とす必要があるようだ。しかし、迫撃砲のパーツがないため集めなければならない。パーツは4つに分かれており、それぞれ個性的な人々が捕まえてほしいという魚を捕まえることで報酬としてもらえるそうだ。なんとか魚を捕まえてパーツを集め、迫撃砲でサメを海に落とす。みうなはなぜかサメの倒し方を知っているので、口の中の人を狙えという情報を持ってサメが落ちた場所に近づく。すると突然戦闘が始まり、サメは船体に突撃してくる。突進を何度か避けると、疲れて口の中の人が姿を現すので銛をくれてやる。何度か繰り返すことでサメは討伐され、口の中からは最後の石板が出てくるので手に入れる。

石板を3つ、神社の壁にはめ込むと一筋の光が遠くを指している。近くには鐘も落ちている。鐘を船に取り付け、光が指す方向を確認すると、光の先はナゾメイタ都市のさらに奥のようだ。みうながイカダで待機しているのでみうなを船に乗せ、ウミガーの猛攻をかいくぐり、船は洞窟の中にたどり着く。

洞窟の先には傷だらけのクジラが海に浮かんでおり、みうなはそのクジラをパパと呼ぶ。ここから先は、会話の選択肢によって変わるエンディングを迎えることになる。

全エンディング条件・紹介(攻略・ネタバレあり)

エンディングA

魚が人間になったときどうなったんだよ

エンディング条件

クジラの最初の質問
「あなたが出会った人間たちは、悪そのものだったか?」に「はい」と答え
(本当によろしいですか?)の質問にも「はい」と答えることで条件達成。

エンディング紹介

クジラと話をし、このクジラはすべてを見通す、言わば神のような存在であることを知る。人間の愚かさを悟り、人間と魚を入れ替える呪いをかけた張本人であることも分かる。しかしクジラは知識が乏しい魚が世界を築くことも難しいと悩み、みうなもまた、人間になった魚が共食いを始めるので、前の世界よりもひどくなってしまったと嘆いていた。そこでみうなは呪いについてどうするかを主人公の選択に託すことを提案する。その後目線が横に移ったかと思えば、なぜか魚屋が参上し、魚屋は人間に戻るのが嫌なことを切実に語る。そして再び話し手はクジラに戻り、クジラは
「あなたが出会った人間たちは、悪そのものだったか?」と問う。「はい」と答えると、クジラはそのように悪いのなら元に戻した方が良いと言いムービーへ。ムービーでは魚から再び人間に戻った人々が、海上へ上がっていく姿が映し出される。ムービーの最後には「あの選択でよかったのだろうか」と文字だけが表示されゲームは終了する。

備考

このエンディングだけを見た人はきっと、ホラーじゃなくて「奇ゲー」なのではと疑うレベルの奇妙さ。

エンディングB(トゥルー?)

トゥルーウィンク

エンディング条件

クジラの質問にすべて「いいえ」で答え、最後に表示される
「共に生きるために、魚だった人間に考える力を与えて」を選択することで条件達成。

エンディング紹介

クジラは、共生のためには元魚の人間たちを「人間らしく」する必要があると理解し、主人公の願いを叶えることに。ムービーシーンに切り替わり、魚たちは元気に泳ぎ回り、元魚の人間たちは協力して文明を築き始める。みうなは学校で皆に共食いがダメなことを教え、共存について語っている様子が描かれる。大団円シーンが続き、最後はハジマリノ島を背景にエンドロールとなる。エンドロールが終わったあとはクジラが元気に泳ぐシーンが少しだけ映され暗転し、ゲームは終了する。

備考

理解が追い付かない人が多い、違うか?

考察:各エンディングの意味 / もう1つの呪い / ハジマリノ島にいる女の正体 / 喋る魚から分かること (ネタバレあり)

エンディングの意味

神なら自分で考えろ

エンディングAの意味

人間の愚かさを見かねて呪いをかけたクジラだったが、元魚で次々と問題を解決していく主人公を見て呪いを戻すかどうかの選択を委ねたのだった。こちらのエンディングでは呪いを元に戻す、つまり人間→魚→人間に、魚→人間→魚に戻ることを意味する。その結果はムービーシーンのように、海の中にいた元人間の魚たちが人間に戻り、浮かんでいってしまうもの。ここまでは事実として整理できる。
次にあのエンディングムービーの意味を考えてみよう。あの映像を見る限りでは、人間に戻ったはいいが、全員が溺れて浮かんでいる様子が描かれているように見え、ムービーの最後にも「あの選択でよかったのだろうか」というトゥルーエンドへの誘導も見られた。つまりバッドエンドであることが分かる。しかし、こちらのエンディングには少々矛盾がある。本作では魚→人間は知能が魚レベルに、人間→魚では人間の知能のまま話す魚も複数確認できたため、体は変わっても知能は引き継がれていることが分かる。ならば、人間→魚→人間に戻ったとして、ある程度知能があればうまく浮上して生き残ることができる個体もいるはずで、あのような全滅エンディングシーンにはならないような気がしている。クジラも「戻す」と言っていたのだし。

エンディングBの意味

こちらのエンディングでは、呪いは戻されず、元魚の人間たちに考える力が与えられたトゥルーエンドとして描写されている。もともと、人間になったはいいが知能が魚のため、共食いをしてしまい、みうなも前の世界よりひどいと嘆いていた。ところが主人公の選択によってクジラが神の力を使い「考える力」が与えられ、元魚たちは人類のような文明を築こうとしている姿が描かれている。

一見トゥルーのようにも思えるが、おそらくほとんどのプレイヤーが面食らったエンディングだったであろう。そもそも元魚だったら世界はよくなるのだろうか、という総ツッコミをくらうだろうし、知能が上がるから人は利益を求め競争し同じことが繰り返されるのではないか、というのは誰もが思ったことだろう。そして魚には魚の本能というものがある。たとえ「考える力」がついたとしても、共食いという本能には逆らえない個体が多く出てくるはずで、考える力は理性であり、共食いは本能のため、おそらく共食い問題は解決しないように思える。何なら、呪いで魚にされた元人間たちは知能は人間のままなので、計り知れない恨みを魚に向けることだろう。これから元魚の人間たちも知能を持っていくので、争いは不可避だ。
というかそもそも、呪いのような魔法のような力があるのなら、理想の種族をイチから作ることができたのではないだろうか。そうすればJKおじさんや潔癖症の男のようなモンスターも生まれずに済んだはずだ。あれは業が深い。

ハジマリノ島にいる女性の正体

ハジマリノ島にいる怪しい女性

実は本作、ハジマリノ島の公園の陸地に砂場で遊んでいる女性がいる。話しかけることもできず、ぼそぼそ独り言を喋っている。そしてこの女性はエンディングBのムービーの最後にも登場し、ナゾメイタ都市の病院で大事そうに1尾の魚を抱いているのである。これが意味するところは、この女性は呪いを受ける前に魚の状態で産卵していて、呪いを受けたあとも卵のことを気にしていたということではないだろうか。そしてクジラによって魚に考える力が与えられ、こちらの女性は無事に子どもに会うことができたということだろう。ナゾメイタ都市になぜ産婦人科が登場するのか始めは謎だったが、このフラグだったのだと考えると腑に落ちる。ちなみに女性が公園の砂場で描いていた絵は網のようであり、網で子どもを探そうとしていたのかもしれない。エンディングBの本当の意味は、この2人が人間と魚の共存、つまり橋渡し役になってくる未来を意味している可能性もある。

もう1つの呪い

エンディングシーン

実は本作の呪いはもう1つある。それは海面上昇だ。根拠は単純明快、高校にしてもモールにしても寮にしても、どこも半分ほど水没している。しかし呪いは取り消されなかったため海面は上昇したままであり、考える力のついた元魚の人間たちの活動できる範囲が極端に減らされていることが分かる。知能も極端に上がったわけでもなく、科学を利用した人間らしい文明を築くのはこれからといったところ。つまりハードモードと化している。これはもはや、魚で進化していたほうが魚たちにとっては良かったのではないだろうか。クジラ本位になっていないだろうか。

喋る魚から分かること

高校の魚屋の裏にいる「喋る魚」

エンディング考察でも触れたが、元人間の魚たちは普通に喋る。内容も理路整然としており、知能は人間のままであることが分かる。ここで1つ思わないだろうか。人間は魚になっても知能が残るならば、元人間の魚たちは魚の文明を築くことは容易なはずである。そしてお互いに知能が付くと、呪いへの恨みからもほぼ間違いなく争いは生まれるだろう。とてもじゃないが共存というのは無理がある。

そういえば、この魚にこんなひどいことをしたのは、おそらく近くにいる魚屋だろうか。商売ができるほどには知能があったのに、やはり本能には逆らえないようだ。未来が透けて見える。何もハッピーエンドじゃない、今すぐエンディングCが必要だ。

感想レビュー

うんうん

終末世界のような、美しい海の合間に浮かぶ島々を渡りながらストーリーを追っていく本作は、まさに王道のホラーアドベンチャーゲームであった。ここからはしっかり最後までプレイした正直な感想を述べさせてもらおう。

今までの作品では、奇怪な人間のサイコロジカルホラーを得意としていたチラズアートだったが、本作では世界の土台を塗り替えて、さらに元魚の奇妙な言動、元人間の魚が喋るという恐怖を提供してくれた。正直斬新だなと思ったし、エンディングの乱暴さはインディーゲームだなといった感じで、気に入る人は気に入るだろうなといった印象だ。個人的には結構好きな作品である。

ところが本作には致命的なところがある。それは本作がチラズアートの作品だということだ。これまでのチラズアートの作品は、日本の田舎のような場所で繰り広げられる、ヤバい人たちをメインにしたねっとりとしたジャパニーズホラーを展開して、日本のインディーホラー界隈では知らない人はいないレベルまで成り上がっていた。ところが本作はその土台をちゃぶ台返しし、ねっとりというよりも、何か爽快感のあるようなゲームとなってしまった。ゲームでもYouTubeでも商売でも、一度その路線で売れたコンテンツ提供者が既存の路線から大きく外れると、ついてこれないユーザーも出てきてしまう。せっかくスポンサーもついたのに、正直ユーザーからは芳しくない評価を受けてしまっているのが非常にもったいないなと思ったことも事実だ。もし本作が他の誰かの単発作品だったなら、また別の評価を受けていたのかもしれないが、チラズアートでこの爽快感はファン離れが起きるだろうなといった心配が出てきてしまった。次の作品ではまた、ねっとりジャパニーズホラーに戻るのか、それともさらに別の世界を突き進むのか、やっぱりチラズアートの作品からは目が離せないな。

個人的には応援しているので頑張ってほしい。ふうたやまさひろ君みたいなキャラ待ってます。

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関連リンク

◆『UMIGARI | ウミガリ』のSteamストアージ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画のリンク(YouTubeに投稿予定)
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