DESORDREとは?
インフォメーション
開発 / 販売元 | SHK Interactive / SHK Interactive |
対応機種 | Steamのみ |
価格 | Steam:¥1,200 |
ジャンル | 3D / パズルアクション / SF |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2023年6月2日 |
あらすじ(Steamストアより引用)
Plegus Therapyによって作られた2つの平行世界を航海する画期的なシミュレーションに没入してください。患者689として、実験的な療法プログラムに参加します。魅力的な環境を探索し、複雑なパズルを解いて癒しを実現してください。
どんなゲーム?
『DESORDRE』とは
Portalに、時間操作の概念と、平行世界を行き来する要素が追加された、一人称視点の高難易度パズルアクションゲームだ。
主人公は患者689という患者で、Plegus Therapyという機関?が作った実験的なシミュレーションを受け、
患っている「方向感覚とバランスの障害」を治療することが本ゲームの目的だ。
Portalが分からない方にPortalとは何かを説明すると、Portalとは
Portalガンというもので空間に穴を2つあけると、その2つの穴がワープホールとなり行き来できるパズルゲームのことだ。
そして勘の良い方ならもう想像できたかもしれないが、本作は本当に高難易度だ。
謎解きも難しいことはもちろん、そのトリックが解けたとして、それを実行に移すことは非常に困難となっている。
クリアしたときに、
「本当にあってるのこれ?」と何度言ったか分からない。
ちなみにDESORDREはフランス語で「デゾルドル」と読み、無秩序などという意味を持つ。
また、字幕もちゃんと日本語対応なのだが、初期設定は英語のため、ゲームが始まったらすぐに言語を日本語に変更した方がいいだろう。
本作の特徴
『DESORDRE』はROOMと呼ばれる各ステージをクリアして進む踏破型のパズルゲーム。ROOMが進むごとにパズルアクションの難易度は困難を極めていく。ここからは、本作でできることをお伝えしていこう。
まず本作は、ボタン1つで平行世界を行き来することができる。簡単に言えば、1つのROOMには配置が微妙に違う表と裏の2つの世界が存在している。それぞれの配置の違いを理解することがクリアのための大前提だ。
また、スローモーションを使うこともできる(というか必須)。こちらもボタン1つで発動できるが、1回当たりのスローにできる時間が決まっており、オンにしたら画面の下にバーが表示され、そのバーがなくなるとスローは解除される仕組みとなっている。
そして極めつけはPortalだ。例えば表の世界に1つ目のPortalを開け、裏の世界に2つ目のPortalを開けてPortalを行き来すると、世界の切り替えキーを押さなくても2つの世界を行き来することができる。これが本当に混乱を招く。
さて、Portal+平行世界+時間操作があることが分かってもらえたと思うが、では実際のゲームのギミックはどうなってるのか?それの一例をご紹介しよう。最終ステージのギミックなどではなく、中盤あたりのROOMの一例をご紹介しよう。
①Portalを上下2つ設置してループを作り出す
②下から入り、上から出てくる。そしてまた下に入ると、落下の勢いがつく
③次に上から落下が始まった瞬間にスローモーションにする
④スローモーション中に、上に設置していたPortalを解除し、世界を切り替えて横の壁にPortalを開ける
⑤世界をまた切り替えて下のPortalに入る
⑥④で空けた壁から飛び出て向こう岸に渡る
いかがだろうか。まずこれを、ROOMに入って全体を俯瞰してから考えることが大変だが、さらにそれを実行することが極めて難しい。単純に、下のPortalに入る、なんて書いているがPortalは小さく、高い位置からそこにめがけてうまく入ることさえ簡単なことではない。失敗すれば①からだ。筆者は何度も狼狽えたことを覚えている。
良いと思ったところ
『DESORDRE』を遊んでいて良かったところは、やはりクリアできた時の達成感だ。高難易度はクリアできない間はもがき苦しむが、クリアできたときに味わえる、脳に走る爽快感を得るためにやっている人が多いだろうと思う。筆者は配信で、最初からクリアまで3時間もかかってしまったが、遊んだあとには、その達成感に満ち溢れていた。
また、世界観もSFで、この極めて無機質なシミュレーション空間に入り込むと、次はどんなROOMなのかと気になっていった。
難しいが、やりがいがあり、理不尽と呼べる要素はそこまで感じなかったため、1200円で3時間苦しみ抜いて得た達成感は、バリュー感があったように思う。
不思議に思ったところ
率直な意見だ。
「これトリック解いてちゃんとクリアできる人、めちゃくちゃ限られないか?」
筆者はアクションゲームをこれまでたくさんプレイしてきて、高難易度と呼ばれるゲームも多々遊んできた。その中でも、高難易度なパズルを高難易度なアクションで実現しろ、というゲームはあまり見たことがない。2Dなら『VINE』というゲームがまさにそれに当たるが、3Dゲームでは本作ぐらいしか思いつかないのだ。
ちなみにSteamの実績を見たところ、最後のROOMまでクリアした人の割合は19.1%(2023年7月18日時点)だったので、短編のパズルゲームにしてはかなり低いように思う。これは高難易度と初めから言ってあげたほうが、ユーザーには良いかもしれない。
感想・レビュー
あまり見ない、高難易度パズル高難易度アクションゲームだった。
単にパズルが好きだから、Portalが好きだから、といって簡単にオススメできるゲームではない。パズルもアクションも自信のある方が、腕試しにプレイするゲームだと言わざるを得ない。しかしその反面、各ROOM、たった一部屋クリアするだけでも、すごい達成感だった。トリックを解いて実行するその面白さは、ゲームとして希少だと思う。パズルアクションのゲームは、クリアしてもらわないと、遊んでもらわないと売れないので、ヒントを作ったり、そもそも難易度を下げていることが多いのだが、本作からは逆にユーザーへの挑戦のようなものを感じた。クリアできるならやってみろ、まさに『Tunic』の開発のような意気込み。筆者は高難易度ゲームが好きで、さらにこういった無機質な空間が大好物のため、本作は85点ほどあげたい高評価だ。こういったゲームは必ずと言って良いほど大衆に評価されないものだが、コアゲーマーはしっかり見ていることをここで伝えたい。理不尽すぎる仕組みはなかったため、しっかり高難易度の良きパズルアクションゲームだった。
たった1つだけ引っかかることは、これが治療シミュレーションだということ。「方向感覚とバランスの障害」らしいが、それなら普通のプラットフォームのようなステージになるのでは?これ嫌がらせだよね?患者発狂するよ?ってずっと思っていた。もしかしたら筆者が次の患者になるかもしれない。
DESORDRE : A Puzzle Game Adventure©SHK Interactive
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