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『CRUELTY | クルーエルティ』の考察・感想レビュー・エンディング紹介【スプラッターホラー】

ひろてく

主にホラゲの考察や感想記事を書いてます。 ストーリー性の強い作品が好きで、たまに映画の感想記事も。

本記事では、クリアプレイ済の筆者が

◇前半ではゲームの概要から魅力・このゲーム買うべき?をご紹介

◇後半ではネタバレありの考察・感想レビュー・エンディング紹介などのパートを設けています

既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。

※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。

『CRUELTY | クルーエルティ』の基本情報

開発 / 販売元838s Maniacs
対応機種Steam / Epic Games Store
価格Steam:¥800
Epic Games Store:680円
ジャンルホラー / スプラッター
プレイ人数1人
発売日2024年6月17日(Steam)
コピーライト表記CRUELTY © 838sManiacs, 2024 All rights reserved.
ゲームインフォメーション

ゲーム概要

「クルーエルティ」は和製スプラッター・ホラーです。 あなたは事故に遭い、意識を失った。目が覚めたその瞬間、あなたはすでにこの世のものではない、地獄のような悪夢の世界に迷い込んでいた。狂気が支配する屠殺場では、凄惨な光景が繰り広げられ、逃げ場のない恐怖があなたを待ち受ける。

(Steamストアページより引用)

どんなゲーム?

『CRUELTY | クルーエルティ』は国産のスプラッター系のホラーゲーム

事故に遭って意識を失い、目が覚めると人間屠殺場に迷い込んでしまった主人公が

自分を食べようとする存在から逃げて脱出を目指すのが目的のゲームだ。

和製スプラッターホラーというだけあって、屠殺表現の内容は過激さが極まっている。

その手の表現に耐性のない方は気を付けたほうがいい。

スプラッターホラーゲームとは?

スプラッターホラーゲームとは血しぶきや人体切断などショッキングな場面を主な見所とするゲーム。

本作の魅力

これでもかと詰め込まれたスプラッター作品

ゲーム開幕から早々に人間が屠殺されていく。

次は自分の番かと言わんばかりにモニターでその様子を見せられてゲームがスタートするが、

それは覚悟の確認なのかもしれない。

こだわりのボイスアクター

スプラッターホラー作品で欠かせないのがボイスアクターの悲鳴だ。

本作の悲鳴は、動物が出す悲鳴そのものといえる、悲痛なものとなっている。

いくら残虐な映像が出ようが、この悲鳴がショボいと魅力が半減するのだが、

本作ではこだわり抜かれたボイスを楽しむことができる。

珍しい国産スプラッター

実はこれほどまでに過激に作られた国産のインディースプラッター系ホラーゲーム作品は結構少ない。

日本語が対応していないような海外のインディーゲームではちらほら見かけるが、国産となると探すのに苦労することだろう。

今の主流はサイコホラーなので結構レアモノ。

どういう人におすすめのホラーゲーム?

とにかく人が残虐に殺されるシーンを近くでしっかり見たい方にオススメ。

だいたいのホラーゲームはそういったシーンはポリゴンチックに体のパーツが飛んだり、血が流れている程度のものが多いし、声優の声も臨場感のないただの悲鳴といったものが多い。しかし本作はその濃度が異なり、基本的に目の前で高画質の人間の頭や体のパーツが切断されたり、ナイフでめった刺しにされるシーンまで用意されている。作るなら生半可なものにしたくないという強い意志を感じた作品だった。一方、Steamでは800円という値段設定に対して1時間弱でクリアできてしまうボリュームのため、若干のボリューム不足を感じる。買うなら680円のEpic Games Storeが良いだろう。値段を気にしないなら、スプラッター好きにはぜひ遊んでみてほしい作品だ。

下記からネタバレありなので注意

エンディング紹介(ネタバレあり)

条件

殺人鬼である農夫とその娘から逃げつづけ、無事に脱出するとホワイトアウトしてエンディングへ突入する。

エンディング内容

目を覚ますと、病院のベッドの上におり、ことの経緯が主人公によって語られる。
主人公は朝、工場で金属加工機に左手が巻き込まれて切断され、痛みのあまり気を失っていて、夢の中でも左腕を切り落とされたことを思い出す。もし脱出できなかったら目覚めなかったかもしれないと思い生きていることに感謝する。一方、隣のベッドでは、眼鏡をかけた背の高い壮年の男が泣いており、看護師に事情を聞くと、彼の娘がこの病室で亡くなったことを知る。彼女のベッドの枕元には、彼女が描いたと思われる絵がたくさん飾られていたのだった。

考察(ネタバレあり)

少女はなぜ豹変した?

ストーリーに純粋に向き合うならば、あの場所がもともと屠殺場だったことと、正常だった少女が、ある日突然豹変して人肉を食べ始めたことから、屠殺場が呪われた地となり、少女とパパはその怨念に取り憑かれたと考えるのが普通だろう。パパはときどき頭を抱えていたので、まだ少女のように完全には乗っ取られていなかったのかもしれない。

あの世界は結局夢なの?

普通に考えると、あれだけの数の人間を一方的に捕獲し続けることは現実的ではないだろう。さらに、娘は女性よりも男性の肉を好むと書いていたので、犠牲者はほとんどが男性と考えるとより一層難しく思える。何より、事故の間にまわりで起きていたことが、無意識化で悪夢に登場するというのは筆者も経験しているので、夢の可能性が高いと考えられる。また、屠殺となった理由は、無意識下で手術の際の自分の血の臭いも感じたことと、左手の激痛、身の回りに知らない人がいる、という条件が重なったためかと思われる。

本作のツッコミどころ

よく考えみてほしい、パパの資料によると
「数日前から娘の様子がおかしくなった。突然叫びだし暴れだして、食事を食べようともしないから、地下に閉じ込めた。それでも奇行が止まらない、ついには人肉を食べ始めた。」とある。
普通、「奇行が止まらない」から「人肉を食べ始めた」はいきなり繋がらないだろう笑。パパが、屠殺場の怨念が娘に取り憑いたと考えたとしても、だからって人肉を与えるのか、というかどうやって最初手に入れたんだ、とそこだけ心の中で突っ込んでしまっていた。まぁホラーに出てくるパパって結構個性豊かな人多いから、そういうパパもいるのかもしれない。

感想レビュー(ネタバレあり)

『CRUELTY』は近年稀にみる国産の良質スプラッターホラーゲームであった。これでもかと見せられるスプラッターシーンや、悲痛でリアルな叫び声も併せ、本作はスプラッターが好きな人を十分満足させられるクオリティであったと評価できるだろう。また、人間屠殺場という、まるでジュースの原液をそのまま飲ませられるかのようなストレート感も素晴らしく、隠すことなくすべて強制的に見せつけられる屠殺場面や悲鳴もリアリティを追求したものとなっており、作中を通してずっと開発者のスプラッターというジャンルへの熱意を感じる作品だった。

ちなみにこれは筆者の考えなのだが、あらためてホラーの声優にはリアリティが必須だと感じた。
ホラーには、チラズアートの作品ような、一般人キャラクターの気の抜けた声の「非・声優感」だったり、本作のような手を切り落とされる男性の「魂から出たリアルすぎる悲痛な叫び声」など一般的なゲームに使われない声が合うのだ。もし声優のプロの声が入ると、安心感も相まってホラー以外のジャンルを感じてしまうので相性が悪い。それがバイオハザードなどトリプルAタイトルを遊んでいるときに、あまりホラーと感じない所以かもしれない。

また、スプラッターホラーというのは今の時代に逆行するジャンルとも言える。筆者もYouTubeに本作の実況動画を投稿したが、やはり過激な内容から広告はつかなかったし、今の時代のインディーホラーゲームは有名な実況者が配信するからこそ、買い手が増えるという奇妙な構造になっているため、広告がつかなくてもいいと思って遊んでくれる有名プレイヤーは多いかというとやはり少ない。そのため過激なスプラッター表現に耐性がある人も減るため負のスパイラルに陥ってしまっているのが現状だろう。だがそれでもスプラッターを追求した、自分の作りたい作品を完成させた開発者には賛辞を贈りたい。素晴らしい作品をありがとう。

関連リンク

◆『CRUELTY | クルーエルティ』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画のリンク近年珍しい和製スプラッター・ホラーをエンジョイプレイ【CRUELTY | クルーエルティ】
◆筆者のYouTubeチャンネル(記事が良かったら登録して応援お願いします!)

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