ゲームレビュー

ホラーなのに幽霊が怖くない?夢の謎を解くホラーADV『Afterdream』感想レビュー・考察

ひろてく

主にホラゲの考察や感想記事を書いてます。 ストーリー性の強い作品が好きで、たまに映画の感想記事も。

『Afterdream(アフタードリーム)とは?』

インフォメーション

開発 / 販売元Jesse Makkonen / Gamera Games
対応機種Steam / Epic Games Store / GOG.com
価格Steam:¥1,300
Epic Games Store :¥1,300
GOG.com:$10.99
ジャンル2D / ホラーアドベンチャー
プレイ人数1人
発売日2023年9月28日
インフォメーション

どんなゲーム?

本作は2Dのホラーアドベンチャー。
謎解きもあるが程よい難易度で、サクサクストーリーを進められるのが特徴。

ゲームをスタートすると主人公が科学者に、自分が見た
「あまりにもはっきりとした夢」について語る描写から始まり、

このカウンセリングしている場所と、夢の回想の世界を平行してストーリーが進んでいく。

この現実は何なのか、夢が何なのか、何も分からないところからスタートする。

ストーリーを進めて、夢の謎について解き明かしていこう。

夢はリアルに描写されていく。

夢ならではの世界であり、幽霊が出てきたり、後述の不思議なカメラを使って謎を解いて進んでいく。

幽霊が何なのか、この世界が何なのか、クリア時には全てが明らかになることだろう。

本作の面白さ

個性の強い幽霊たち

科学者の幽霊がいたり

集まってコミュニティを形成していたり

帽子が風に飛ばされてイラつき、ストライキしてしまう幽霊も出てくる。

なぜかこの幽霊にだけはテーマ曲がある。

物を出したり消したりできるカメラで幽霊たちと差をつけろ

本作の最大の特徴として、
物を出したり消したりすることができる、不思議なカメラが存在する。

画像左のドアノブのないドアのような壁も

不思議なカメラで撮影すると

ドアとなる。

夢ならではの意味不明さがうまく表現されている。

ちなみに幽霊たちはこのカメラを使うことができない。

幽霊たちと差をつけろ。

ちゃんとホラー

夢は特定の対象が怖いというより、怖い夢のときは夢全体に恐怖を覚えるものだろう。

幽霊が怖い、というよりも、謎しかない夢の世界全体に恐怖するゲームだと言えよう。

生物の潜在的な恐怖は「分からない」ことから来ているのだ。

ホラー好きだけど、このゲーム買うべき?

夢がテーマのホラーが好きな方は買って損はないだろうと思う。

ジャンプスケアは少な目で、やはり不気味な夢の世界全体に、恐怖しつつ進むというホラースタイルなので好き嫌いは分かれるかもしれない。

謎解きは難しくないので、1つの短編ホラー小説を読む気持ちで遊んでみるのも悪くないだろう。

クリアまでは3時間ほど。値段に見合ったボリュームだと言えよう。

感想・レビュー(ネタバレあり)

ホラーゲームも映画も、ホラーというジャンルは大きく2つの要素からできている。それは
「特定の対象から逃げたり、対象を倒したりする、明確な敵がいる」ことと
「現実味のない異世界に恐怖する場所的な要素」だ。

一方本作は明確な敵というものがおらず、後者だけで出来ているゲームだ。不気味な夢の世界を、謎を解いてひたすら進んでいくというもの。
たしかに本作は、敵はいないものの、感覚がハッキリしすぎている明晰夢の世界で、夢と分かっていても怖く不気味な場所を進んでいくのは怖く、良い作品だったと言えよう。

敵なしで、場所の雰囲気だけで恐怖させる点ではLiminal Spaceと類似するものもあるが、現実との違和感から想像するLiminal Spaceの恐怖とは違い、本作はストーリーがあり、明確に明晰夢の世界に恐怖できる点で異なっている。

一方強いネタバレにはなってしまうが、本作は夢オチである。夢オチなのに、全くがっかりしなかったのはエンディングにあったのだ。見てきた夢の世界が、最後の亡くなった父のテープにつながる。全てに意味があった夢は、単なる浅い夢オチではなく、重みのある夢オチで良かったと筆者は思った。

考察(ネタバレあり)

この考察パートでは、『Afterdream』のエンディングの意味について考察していこうと思う。

まず明晰夢の世界とは何か

明晰夢の世界については、赤いスーツの幽霊が説明してくれる。
その人物によると、明晰夢の世界は、
「あの世とこの世の間の世界」であり、主人公の世界ではないということ。
そこは、死後の世界から死前の世界に戻るための場所としても使うことができ、
カメラを使って「扉オブジェクト」というものを見つけたとき、
死後の世界の人とこの場所で会うことができるらしい。
主人公は無事に扉オブジェクトを見つけ、父と心で再開することができたと、学者には語っている。

現実世界

明晰夢の世界で扉オブジェクトを見つけ、父と心の中で再会した主人公は、
カウンセリングの世界が夢だということを学者に突き付けられる。
目が覚めると愛犬が傍にいて、少しプレイすると、愛犬に促され父の遺品箱へ行き、
父の遺したテープを見つけることになる。

父のテープ

カウンセリングで会話している中に、主人公の父が心臓発作でつい最近亡くなったことが語られていた。
テープでは、明日電話するけど、一応テープにもメッセージを遺したとし、
主人公へ最後のメッセージを贈っている。

エンディングの意味

エンディングの意味としては、筆者はこう考察する

「主人公は明晰夢の世界を通じて実際に父と再会し、それを証明する形で現実世界でテープが見つかった。」と


カウンセリングの世界が夢だったとしても、明晰夢の世界は夢だったとは限らない。
何より、主人公が、感覚が明らかに現実のもの、と語っていたように、明晰夢の世界は本当に
「あの世とこの世の間の世界」だったのだろう。
そこで父と再会を果たし、目が覚めると遺品のテープを見つけるが、それはつまり
明晰夢の世界で、心で再会した父そのものの表現だったのだろうと思う。

あの夢を見てから見つかることの運命性が描写されているように感じたので、そのように考察してみた。

たしかに夢には未来予知のようなものがあったり、知らないはずのことを知ったりと、不思議体験の場としてよく語られる場所だ。
筆者も夢で見た不思議な出来事はノートしているが、1番不思議だった夢は

「両手両足が全て右手になる夢だ」

一体何をサインしていたのだろうか。

関連リンク

◆『Afterdream』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで配信した『Afterdream』のアーカイブ動画
◆筆者のYouTubeチャンネル(記事が良かったら登録して応援お願いします!)

© 2023 Jesse Makkonen. Gamera Games

-ゲームレビュー
-, , , ,