本記事では、全エンド回収した筆者が
◇前半ではゲームの概要から魅力、このゲーム買うべき?をご紹介
◇後半ではネタバレありの感想レビュー・考察パートを設けています
既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。
『Shinkansen 0 | 新幹線 0号』の基本情報
開発 / 販売元 | Chilla's Art |
対応機種 | Steam |
価格 | Steam:¥800 |
ジャンル | ホラー |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2024年3月23日(Steam) |
ゲーム概要
「新幹線0号」は新幹線の中で異常を探すゲームです。
(Steamストアページより引用)
どんなゲーム?
ジャンルは「間違い探しゲーム」の属性「ホラー」といったところ
プレイヤーは1人称視点で新幹線の車両を歩き回り、
車両に異常があれば引き返し、異常がなければ直進するという分かりやすいシステムだ。
本作はそのジャンルで大ヒットした間違い探しゲーム『8番出口』にストーリーが追加されたような作品で、
インディーホラー界では知らぬ人はいないチラズアート節がさく裂した作品となっている。
次項からは本作の魅力をご紹介していこう。
本作の魅力
8番出口に劣らない楽しい間違い探し
これが異常でなかったら何なのか
突っ込みどころしかない楽しい間違い探しがあなたを待っている。
ストーリーがある
チラズアートと言えばこの3Dキャラである。
8番出口にはなかったストーリーというものが、本作にはあるのだ。
濃いメンツ
信じられるだろうか。
この目が緑色に光る人は異常ではない。
8番出口と比べて登場人物が多いところも本作の魅力の1つだろう。
8番出口好きだけど買うべき?
全異常を自力で見つけて、なおかつストーリーも楽しんでいたら4時間以上は遊ぶことができるだろう。8番出口にはなかったストーリーの追加や、チラズアート節が楽しめる本作は、インディーホラーが好きな方は間違いなく買って損はないと言える。一方、チラズアートの他作品に比べ、ゲーム内でのサポーター演出の濃さが目立った点は少々抵抗がある方もいるかもしれないが、タイトル画面でオフにできるのでさほど問題はないだろう。本作はエンディングも2つ存在するし、ステージは普通車とグリーン車と2つあり、ボリュームも満足感も8番出口より高めだという印象だ。ぜひ遊んでみてほしい。
次項からはネタバレありなのでご注意いただきたい
エンディング紹介(ネタバレあり)
Ending1(エンディング1だね)
▼条件
普通車→グリーン車とクリアし、運転席で列車を止めてすぐに外に出る
▼内容
外に出るとホワイトアウトしエンドロールへ。あの姉弟についてのストーリー的な解決はなく、脱出に成功したというだけのエンディング。
Ending2(エンディング2だね)
▼条件
運転席に行ったあと、普通車まで戻り起きた姉と出会い、敵から逃げつつ普通車の方の運転席までたどり着く。
▼内容
ループする危険な列車の分離に成功する。プレイヤーによって発進した普通車は駅にたどり着き、姉弟と再会する。その後主人公は目を覚まし、自身が病気で倒れていたことを知る。さらに、車掌の業務連絡をたまたま聞いて、その姉弟が人身事故に遭ったことを知る。そして画面はホワイトアウトし、桜が満開の線路で、その姉弟が幸せそうに仲良くしているシーンが映りエンドロールとなる。
考察(ネタバレあり)
考察①「新幹線0号は死んだ人をあの世に運ぶもの」だと考える
列車は「人を遠く離れた場所に運ぶもの」である。死にかけた主人公もその世界に足を踏み込んでいたのだと考えることができる。異常は主人公自身には起こらなかったが、主人公も病気で意識を失っていてあちら側にいくところだったのだ。最後に直樹君に誘われ、列車を下りていたならば、おそらく主人公はあの世に行っていただろう。また、普通車のお兄さんやグリーン車の人々には皆異常が起きていた。それは、彼らは既に完全に死んでしまってあの世に行くところだったのだ。最後の主人公を阻止するため追いかけてきた敵は、新幹線の行先を地獄にしようとした悪魔のような存在だと言えるだろう。
そこから
「なぜお姉ちゃんは最初に寝てたの?」を考察すると
姉弟のうち、姉は即死ではなかったのだろう。しかしプレイヤーが列車を止める頃には亡くなってしまったため、この世界で目を覚ましたと考えるのが自然だろうか。
考察②「ただの夢オチ」と考える
覚えていらっしゃるだろうか?直樹君はゲームの冒頭でこの新幹線のルールについて説明してくれた。なぜ亡くなった本人がゲーム感覚なんだ?ゲームマスターか?そんなワケはない。エコノミー症候群で意識を失った主人公が、直前で覚えていた物事が夢となって出てきた、それだけのことなのだと。だからこそ姉弟のことを無視したエンディングも存在したし、さらにゲームを楽しむためのエンディング2が存在した。ゲームはすべて"主人公目線"で起きていたのだ。すべては繋がってしまう。しかしこの夢オチというのは万能すぎる、物語に於いての禁忌。ミステリー小説における双子トリック並の禁忌。だからチラズアートの作品として、そんな単純なオチは許さない。なのでこの考察②は異常だ。ボツね、引き返そう。
考察③「直樹君はエンポリオ」
話し方で気づいた方もいらっしゃったのではないだろうか。直樹君は「ジョジョの奇妙な冒険」6部に登場するエンポリオに他ならない。エンポリオと言えばジョジョ6部に登場するキャラで、舞台となる刑務所の中の隠し道をたくさん知っている。子どもとは思えない立ち回りをするスーパーキッズで、ジョジョ6部の主人公徐倫のことを助けてくれる。直樹君は話し方もエンポリオさることながら、ときどきワープしたかのように先回りして移動することがあった。そうだ、隠し道を知っていたのだ。あの場所が何であれ、直樹君がエンポリオとくれば話は早い。世界は1巡する。よって、主人公が帰還した世界は1巡したあとの世界だ。それは異常でもあるし、異常でもない。普通車とグリーン車でルールが違ったのも理解ができただろう?そうだ、ジョジョ6部説だ。
ふざけた考察をして申し訳なかった。筆者の考えは①です。
※2024/5/9追記
考察④この新幹線はバックルームズの通常階層
本作は8番出口ライクなゲームであり、8番出口は海外のクリーピーパスタである「The Backrooms」にインスパイアされて作られた作品であり、本作はその8番出口ライクのため、少なからずバックルームズの世界観を引き継いでいるものと考える。
そもそもThe Backroomsはファンコミュニティがそれぞれの理念の元、バックルームズの世界観を広げていくコンテンツであり、海外にいくつもファンサイトが存在するが、実は日本にもバックルームズコミュニティがいくつか存在する。その中でもwikidotというコミュニティのバックルームズには、本作のエンディング2の場所にそっくりな「帰路」と呼ばれる例外階層が存在する。そこは現実世界の京都府京都市東山区を差し、現実世界であり出口であり、そこから脱出してきた人が多いため、バックルームズの例外的な階層として認められる場所である。
そこから考えると、本作のトゥルーエンド=「出口に到達した」と考えると、この新幹線自体がバックルームズの通常階層であり、特定の条件で例外階層にたどり着き、出口に到達できたということになる。
これは考察というよりも解説に近いかもしれない。8番出口や本作を皮切りに、バックルームズのことが広く知られることを願うばかりだ。wikidotのバックルームズの世界観は狂おしいほど筆者は好きである。
感想レビュー(ネタバレあり)
本作は「The Backrooms」や「Liminal Space」にインスパイアされてできた8番出口をインスパイアし、さらにストーリーを加えた作品だ。考察①で述べた通り、異常の起こった世界を「あの世の直前の世界」として描写したのはうまく考えたなと思った。そしてエンディング分岐や登場人物の人間模様、ストーリー観と言い、作者を伏せられてもチラズアートの作品だと筆者なら分かるほど、ブレない面白さだった。
しかしここはブログの感想の場だ、どうしても突っ込みたかったことを言わせてほしい。
医者の喋り方も突っ込みどころ満載であったが、何より「普通車のお兄さん」のことだ。寝ていることは異常とカウントされないが、起きているだけで「異常」とされるのは可哀そうすぎる。唯一の救いは、地獄に向かっていた列車も、プレイヤーのおかげで終着点が天国になったのだ。良かったなお兄さん、あなたは寝ているだけで天国に行けたのだから。
関連リンク
◆『Shinkansen 0 | 新幹線 0号』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した【Shinkansen 0 | 新幹線 0号】の動画
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