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【Wetory考察】色が奪われた世界に、足から絵具が出る子どもが色を灯すゲーム【感想・レビュー】

ひろてく

主にホラゲの考察や感想記事を書いてます。 ストーリー性の強い作品が好きで、たまに映画の感想記事も。

本記事では、ハードモードまでクリアして真エンドを見た筆者が

前半でゲームの概要から魅力、このゲーム買うべき?をご紹介

後半ではネタバレありの感想・レビュー・考察パートを設けています

既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。

『Wetory』とは?

インフォメーション

開発 / 販売元PepperStones / GRAVITY
対応機種Steam / Switch
価格Steam:¥1,400
Switch:¥1,400
ジャンル3D / ローグライク / ローグライト / カートゥーン
プレイ人数1人
発売日2023年10月26日
インフォメーション

どんなゲーム?

『Wetory』は3Dのカートゥーン風ローグライクアクションゲーム

悪者によって色が奪われた世界で、足から絵の具が出る主人公が、世界に色を取り戻すために戦うストーリーだ。

プレイヤーが敵に直接攻撃することはなく

主人公の「子ども」が歩いた場所に生まれる絵の具が、主人公の方に飛んでくるという習性を利用して戦う

ボスを倒すごとに色が増え、色ごとに分岐したスキルを振ることができる。

エリア踏破型のステージ構成となっていて、初めは緑色のステージ。

ボス以外の部屋でレベルを上げたりアイテムを手に入れることによって、強力なボスを倒していこう。

本作の面白さ

俺は雰囲気で『Wetory』をやっている

ローグライク初心者だと、途中まで何をやっているのか正直分からない。

俺たちは雰囲気でWetoryをやっていた。

しかし大丈夫、それでもノーマルならクリアできちまうんだ。

後半わちゃわちゃしてきて、無双する楽しさを味わったらもうこの作品の虜さ。

それって病気なのか?

もはや病気ではなく個性だ。強い、強すぎる。

特定のアイテムを手に入れることによって、複数の色のスキルを同時発動できるようになったり、床から出てくる絵の具の量が極端に増えたりでもうお祭り。

どっちがボスなのか正直もう分からない。

バフが溜まりすぎちまった(楽しすぎる戦闘)

上に5つアイテムがハマるスロットが見えるだろうか。

5つしかアイテム装備できないとか思うだろうが、そんなものは関係ない。

本作では手に入れたアイテムは、ゲームオーバーにならない限り全てが同時に効力を発する。

一部のアイテムは身に着けたりして主人公の容姿が変わったりする。

見せてくれ、全てを揃えた神の領域ってやつを。

本物のローグライクを見せてやる(ノーマルとハードの違い)

ローグライクの元祖『ローグ』のプレイ画像

本作には難易度が2つある。

最初は「死にがたい」というノーマルモードしか選べない。

ノーマルモードの特徴は
・HPが常に自然回復する
・敵の攻撃が弱い
・死んでリトライしても死んだときのレベルを引き継ぐ

そう、「ローグライト」なのだ。

一方、「諦めやすい」というハードモードは
・HPの自然回復はない
・敵の攻撃が痛い
・死ぬと全てを失う

まさに「ローグライク」だ。

ハードモードは手ごたえがあるので、慣れていないとかなりきつい。

ちゃんと練習させてくれる『Wetory』

ノーマルで経験を積んだら、君も立派なウェトラーだ。

ローグライク好きだけど買うべき?

本作はローグライクとしてのシステム、アクション面、スキルの戦略性などどれをとっても高品質だった

ストーリーも考察が捗る深い作品なので是非買って自分なりの考察をして遊んでみてほしい。

そのため筆者は、本作はローグライクが好きな方にも、ストーリー性のある作品の考察が好きな方にも刺さる良作だと評価している。

値段とボリュームについても、1400円で、5時間ほどプレイしてやりこめたので特に不満はなかった。

また、ローグライクの良いところは、引継ぎがないのでまた遊びたいときに0から気軽に遊べるところ。クリアまで1時間かからないので、爽快アクションで敵を倒していく楽しさは、ちょっとした空き時間の暇つぶし、ストレス解消などにももってこいだ。

考察(各ボスとエンディングについて)(ネタバレあり)

本パートからはネタバレありである。

しっかり目の考察をしているので、プレイ後の方は覗いてもらうとちょっと楽しいかもしれない。

※本パートでは自殺などの描写が含まれています。苦手な方はご注意ください。

前提知識(考察材料)

まずは前提情報として、ストーリーやボスの絵、メッセージ、エンディングなどの描写を見ていこう。

※考察パートに画像をすべて載せると考察内容が見辛いため、感想レビュー後のパートに全ての画像パートを用意しているので気になる方はそちらをご覧ください。

ちなみに本作ではボスを倒すことで絵とメッセージを見ることができ、中ボスを倒した場合は絵の裏のメッセージも見ることができる。

オープニング

ある村で、足から絵の具の流れる子どもが生まれました。
これを不吉とする人々の目を避けて、身を隠す日々が続きました。
ある日、悪者が現れて、世界から色彩を次々と奪っていき
最後に残ったその子の色が狙われたとき、絵の具の力が暴走しました。
悲しみにくれる子どもをよそに、人々は世界を救えるその力に注目します。
子どもは一人ぼっちの境遇から脱して英雄になれるでしょうか?

ボスの絵(表)

一人ぼっちになる宿命の人がいました。(緑のボス)
でも、その宿命も愛の前に何の力もなくなりました。(オレンジのボス)
お腹の中の子どもが育てば育つほど、彼は狂っていきました。(青のボス)
彼女は偶然、彼が不気味な儀式を準備しているのを目撃します。(紫のボス)
子どものために、彼女は人里離れた森の中に逃げてしまいます。(黒のボス)

ボスの絵(裏)

予言1:手から絵の具が出る者の子どもは、絵の具の力を引き継ぐ。(緑のボス)
予言2:子どもの力は、美しいながらも強力なものになる。(オレンジのボス)
予言3:子どもの力は周辺のすべての人を狂わせる。(青のボス)
予言4:子どもは生まれた途端、手から絵の具が出る者に殺される。(紫のボス)
予言5:二つの力を手に入れた者は世界を滅ぼす。(黒のボス)

ノーマルエンド

子どもはついに悪党を倒し、すべての色を取り戻しました。
それから子どもは村に戻り、人々に色を返しました。
自分の力を使い切ってしまった子どもは、一人でモノクロームの世界に取り残され…
(その後、首を吊った描写でスタッフロールエンド)

ハードエンド

ハードモードでは黒色のボスを撃破後、ノーマルエンドのメッセージはなく、謎の白い空間を進んだ先にいる裏ボスを倒すことで別エンドを迎える。
文字はなくアニメーションのみとなっていて、主人公の子どもが裏ボスの持っていたナイフで自身の両足を切ってしまい、スタッフロールが流れたあと誰かがその両足を持って行ってしまいエンドとなる。

考察

ボスの絵から分かること

ボスの絵のおもてでは、手の絵の具が出る父親との間に授かった子どもが殺されるのを母親が察知し、逃げるという内容。
一人ぼっちになる宿命の人とは主人公の母親のことであると思われる。
予言1の絵(緑裏)を見ると父親から手の絵の具が出ているので、その子どもは殺されるという「予言」を回避しようとする展開。

オープニング絵から分かること

母親は無事に父親から逃げ切るも、子どもは孤立し、その後父親の暴走で世界から色が奪われてしまい、子どもに手が及ぶ直前で子どものちからが暴走し、その力によって母親を死なせてしまう

ノーマルエンド絵から分かること

奪った色は返せる。しかし返すのにも力を使うため、力を使い果たした主人公はモノクロームの世界に取り残され自死する

ハードエンドから分かること

予言によると、2つ(手足)の力を手に入れると世界を滅ぼすらしく、この世界では色の奪い合いができるので黒のボス(父親)を倒すことで主人公は2つの力を手に入れてしまった。だから足を切り落としてそれを防ぐことにした。主人公は死ななかったためトゥルーエンド?

まとめると

どうやら前提として、この世界では色を奪ったり、返せたり、失ったりするらしい。

予言もまたこの世界の絶対的ルールだとしたら、ノーマルエンドの世界では父親の手の力を得た主人公は2つの力を得ることになるため、世界を滅ぼす存在となる。しかし滅ぼす存在になったからこそ自死した、というよりは、「孤独の中で自死した」という描写だったため、ノーマルエンドは不思議な終わり方だった。孤独は死ぬぐらい辛いという表現?なのかなとも思った。一方、モノクロームの世界、という表現であるため、単に別世界に閉じ込められた絶望エンド、と言ってもいいのかもしれない。

一方、ハードエンドについては、モノクロの世界で天使のような存在と戦い、その後両足を切り落としている。

これについてはあやふやすぎるため、さまざまな考察ができると思う。筆者はこれを、モノクロームの世界と先に決着をつけ、その後、世界を滅ぼす存在となることも防いだトゥルーエンドだと考えている。急に出てきた天使については、他の絵などの関連性がまったくないため、モノクロームの世界の象徴、倒すべき世界としての表現と考える。また、ハードモードはノーマルを一度クリアしたあとしかプレイできないことを加味すると、一度はモノクロームの世界で絶望を体験した子どもが、全てを知った状態で再び父親を倒し、絶望のモノクローム世界を壊し、自身が世界を滅ぼす存在になってしまうことも防いだ、というのが、矛盾なく理由付けができるだろうという結論に至った。ちなみに黒色(父親)以外のボスについては、ただの色を持ったボス、ということであまり考察の余地がないため割愛する。

本作における考察は無限にできそうである。自分はこんな考察した、というものがあれば気軽にコメントをいただけると嬉しい。

感想・レビュー(ネタバレあり)

絵がカートゥーン風でかわいく世界観はファンタジーな感じ、ストーリーが良ければ化けるだろうなと期待して買った作品だったが、良い意味で予想の斜め上をいってくれた良作だった。入口を広げるためだろうか、考察したハードエンドのためかもしれないが、最初は「ローグライト」形式の、死んでも前のレベルを引き継ぐ、誰もがクリアできるモードを用意しつつ、ハードモードでは、死んだら完全に最初からの純粋な「ローグライク」を提供してくれる。アクション面では、さまざまな色のスキルの把握、状況によるスキルの切り替え、敵による色の切り替え、など戦略を駆使して戦える良システム。アイテムはゲットしただけ使えるため、このゲームの遊び方に慣れれば慣れるほど長く遊べて強くなれる楽しみ方など、ゲームとしての不満はほとんどなかった。慣れるとハードの裏ボス撃破まで1時間もかからないため、やり込み甲斐があるといえよう。また、ストーリーについては特に楽しめた。全ての絵のスクショを撮って並べ、考えている時間は最高に幸せだった。既プレイで本記事を読みに来てくれた方のためにも、その楽しみ方ができるよう、次のパートでは全ての描写の絵を並べるので活用いただければと思う。また、YouTubeにはハードモードのプレイスルー動画も投稿しているので、興味のある方は関連リンクから見てみてほしい。

ひさびさにやり込んだ、というゲームだったが、1つ思ったことは

世界を滅ぼすような力を得ても、そうせず自分の足を切り落とす子どもの選択は言葉にできないほど重い。とても面白いおとぎ話を1つ読み切った感覚だった。

最後に、ごあいさつ。
筆者は本記事のように気に入ったゲームの紹介から考察までやりこんでいます。もし気に入っていただけたら、YouTubeチャンネルの登録など応援いただけるととても嬉しいのでよろしくお願いします。

ストーリー、ボスの絵、エンディング絵など全ての画像パート

オープニング

OP1枚目
OP2枚目
OP3枚目
OP4枚目
OP5枚目
OP6枚目

ボスの絵(おもて)

緑ボスおもて
オレンジボスおもて
青ボスおもて
紫ボスおもて
黒ボスおもて

ボスの絵(うら)

緑ボスうら
オレンジボスうら
青ボスうら
紫ボスうら
黒ボスうら

ノーマルエンド絵

ハードエンド

撃破後

おわり

関連リンク

◆『Wetory』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで配信した『Wetory』のアーカイブ動画
◆ハードモードのプレイスルー動画
◆筆者のYouTubeチャンネル

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