この記事では、全ENDクリア&全実績解除済の筆者が
◇前半ではゲームの概要から魅力・このゲーム買うべき?をご紹介
◇後半ではネタバレありの考察・全エンディング紹介・各ライン解説・感想レビューなどのパートを設けています
既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。
※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。
『Slot Waste』の基本情報
開発 / 販売元 | pickpanpuck productions |
対応機種 | Steam |
価格 | ¥580 |
ジャンル | ホラー / SF / ディストピア / 奇ゲー |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2024年8月1日 |
コピーライト表記 | © 2024 pickpanpuck productions |
ポイント
サクッと遊べる一人称視点の工場生産ラインシミュレーション。10の独特で不思議なミニゲームをクリアしてラインを進めていこう。誰のために何を生産しているのだろうか…?
(Steamストアページより引用)
どんなゲーム?
『Slot Waste』は一人称視点の
工場生産ラインシミュレーションゲーム
プレイヤーは何者かの視点で、ワンオペでひたすら何かを作り出していく。
シミュレーション自体は簡単なミニゲームで、ゲームオーバーも存在しない。
いったい何を目的に、何を生み出しているのか。
謎を解明しよう。
本作の魅力
気持ち悪いモノの生産の担い手になれる
この人面人参も、生産者であるプレイヤーの手によって生み出すことが可能だ。
この人参の横に、プレイヤーの写真で
「私が作りました」
とできる権利が生まれることだろう。
もちろんそんなシステムはない。
ラインの相関関係
この生物は、ほかのラインで素材として使われる。
その素材もまた別のラインのために使われる。
すべては繋がっているのだ。
クリア時点でなるほど、となったならば、きっとIQ200は固い。
ディストピア
本作で表示される文字は、タイトルの
「SLOT WASTE」
という文字だけ。
それ以外はすべて生産ラインで語られる。
まさに
考えるな、感じろというゲームだ。
どんな人にオススメのゲーム?
どんな人にオススメ?
- 奇ゲーが好きな人
- ディストピアな世界観が好きな人
- 言葉のないゲームが好きな人
- 工場が好きな人
本作は、不気味なモノがたくさん生産され、消費されていく一連の工場ラインをオペレーティングしていく。ラインの最初から最後までを一人で遊べるので、工場ライン系のミニゲームが好きな人にはもちろん、気持ち悪いモノが好きな奇ゲー好きにもオススメできるし、ディストピアな世界観が好きな人にもオススメできる作品だ。ゲームオーバーもないためカジュアルなゲームに属するし、誰でもクリアすることが可能だ。しかし、値段580円に対して25分ほどで終わってしまうため、コスパは少々悪い。
各ライン解説(ネタバレあり)
ライン1:ビー玉入れ
ライン1ではライン2で使う液体を作るため、人面ポットに液体の元となるビー玉を入れていく。
実はこのビー玉を生み出す謎の浮遊像については、どのラインでも生産されていない謎である。
ライン2:金属鳥の餌の素材作り
ライン2では、ライン4で金属鳥をおびき寄せる餌の元となる生物を、ポットから出る謎の液体を用いて縮めていく。
ちなみにこの生物は、ライン6のクルミがエネルギーを抽出したあとに出来た人面人参の頭をプレスすると出来たもの。
ライン3:ライン2で作った素材の加工
ライン3では、ライン2で縮めた生物を、謎のろ過器を通して抽出した骨っぽいものを削って加工していく。
これは大事なライン4の金属鳥をおびき寄せる餌となる。
ちなみにライン1からライン3までは、金属鳥のためだけに行われる一連の生産ラインだ。
ライン4:金属鳥のパーツ加工
ライン4では、ライン3までで作った餌でおびき寄せた金属鳥の頭を、金属の容器で加工し分離する。頭のない鳥の体には、ライン1の人面ポットが代わりに装着され、別のキメラ生物へと生まれ変わる。このキメラ生物は飛びだってどこかへ行ってしまう。
ライン5:人面蛙作り
ライン5の作業は、複雑な2工程に分かれている。
金属鳥が何かを落としたかと思うと、人面ブルーベリーがラインにあり、そこからは木の実が成るので収穫する。
収穫した木の実から、プレス機で圧縮しジュースを作っていく。木の実1つからはたった1滴しか採れないので、根気強く作業に取り掛かろう。
ジュースの抽出が終わると、人面ブルーベリーは生まれたての犬のような生物を生み出し、その生物がジュースを飲む。
満足したようにあくびをすると、口から人面蛙の卵が産まれる。
ライン6:エネルギークルミ作り
ライン6では、人面蛙からクルミを抽出する。ライン5で得た人面蛙の卵を叩く棒の中に入れ、成体の背中が膨らんだ時にを叩くとクルミが出る。このクルミは結果的に、金属鳥をおびき寄せる餌にもなるし、人面ポットを作る素材にもなる。よって、この蛙は非常に重要だということが分かる。
ライン7:金属鳥作り
ライン7では、ライン4で加工した金属鳥の頭の箱を、人面蛙から採れたクルミのエネルギーを用いて金属鳥を生み出す。何を言っているのか分からないと思うが、起きたことは錬金術に近い。
その後エネルギーを放出したクルミからは、まるでタコヤキのように膨れ上がって人面人参が出来る。
ライン8:人面人参の加工
ライン8では、ライン7で生まれた人面人参を2つのパーツに加工していく。まず上部を切り取ってライン9へ送り、残った下部はライン10で使われる。なぜ人参かというと、それはライン10で分かる。
ライン9:金属鳥の餌の素材作り
ライン9で加工した人面人参の上部を、型に入れプレスするとライン2で元気に歩き回っていた生物が生まれる。
ライン10:ライン1の人面ポット作り
最後、ライン10では重要な人面ポット作りが始まる。ライン6のクルミから始まり、加工され、人参の下部を食べた馬が消化したものを容器に入れることでフンのような生き物が生まれ、フンが歌を歌い終わることで人面ポットが完成する。文字にすると狂気でしかない。
馬がニンジンを食べ、消化しているので、やはりあの人面人参はニンジンなのだ。
考察:この工場の目的は何なのか?(ネタバレあり)
考察:この工場の目的は「ペット用のキメラ鳥と犬の生産」
本作の工場では、一見、各ラインが相互に必要なモノを作っている無駄な工場だと思えてしまう。ところが、ほかのラインで消費されていないものが、考察タイトルの2つだ。キメラ鳥は羽ばたき、人面ブルーベリーを落とすが、ほかのラインで消費はされていない。また、人面蛙を生み出す犬もほかのラインで消費はされていない。だとしたら、その余った2つがこの不気味な工場の目的となることだろう。
一方、外の世界のことがまったく触れられていないことから、この工場の外のことは正直何も分からないが、キメラ鳥と犬に需要があるということだけは分かる。工場は何度も使われたようなヨゴレが散見されるからだ。キメラ鳥と犬、どちらも小動物であり、我々の生きる現実世界では愛玩動物としても存在しているため、この工場はペット生物を生産するために存在しているのではないだろうか。
感想レビュー
奇ゲーの要素もありつつ、文字ではなく事実で語ってくる硬派なディストピアゲームだった。生物が気持ち悪く、ジャンルはSFホラーと言ってもいいだろう。「考えるな感じろ」が好きな人には刺さりそうなシュールなゲームで、一定の需要はありそうだなと感じた。Steamの同時接続を見る感じ、現時点2024/8/3でMAX5なのでかなりマニア向けゲームだとも言えるだろう。
筆者はいつも、こういうゲームの開発者には、いつも尊敬の念を抱く。よく完成させたなと。筆者なら作っている途中で、何をしているのだと我に返ることだろうが、出来る人は完成させてしまうのだ。軸が存在し、ブレずに完成までいけてしまう。ゲームを作ってくれてありがとうと心から思う。
また、先日実況プレイしたナレハテなどもそうだが、奇ゲー関連の開発者とは一度インタビュー形式の対話をしてみたいと思っている。奇ゲーの開発者は、話してみると一体どんな人なのか、とても気になるのだ。そのうちインタビュー動画や記事にもトライしてみるつもりだ。このブログは他にない味を出したいと思っているので、ぜひYouTubeも登録しながら応援してほしい。
関連リンク
◆『Slot Waste』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画のリンク誰もいない工場で狂気じみたモノを作るディストピアゲームを見てほしい【Slot Waste】
◆筆者のYouTubeチャンネル(記事が良かったら登録して応援お願いします!)