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フランスの学生5人が作った、短編ウォーキングシミュレーター『ABEL』の感想・レビュー

ひろてく

ゲームの考察・感想レビューのブログやってます。 ストーリー性強い作品が好きで、最近は「ホラー」や「アドベンチャー」のジャンルが多めです。 YouTubeで実況もしてるのでそちらも是非。

ABELとは?

インフォメーション

開発 / 販売元CNAM-ENJMIN / CNAM-ENJMIN
対応機種Steam
価格無料でプレイ可能
ジャンル雰囲気 / ウォーキングシミュレーター / アドベンチャー
プレイ人数1人
発売日2023年7月13日

あらすじ(Steam概要欄より引用)

「ABEL」は、悲しみと悲しみに打ちひしがれているカールの物語を語る物語的で瞑想的な歩行シミュレーターです。 限界空間を探検し、物体を操作し、カールの人生を永遠に変えたトラウマ的な出来事を掘り下げてください。

どんなゲーム?

『ABEL(アベル)』とは、タイトルの通りウォーキングシミュレーターだ。

「CNAM-ENJMIN」というフランスの国立高等学校の5人の学生チームによって、わずか3か月で作られたゲームで、Steamにて無料でプレイ可能。本作は主人公のカールとABELという人物を取り巻く事故について、その真相を解明していくストーリーだ。ウォーキングシミュレーターといっても、不思議な世界を歩くだけではなく物語性が強い。

また、日本語対応となっているが、字幕の半分ぐらいは突然英語になってしまう。といっても難しい英語は出てこないし、写真やアイテムなど雰囲気で十分ストーリーは理解できると思うので問題ないだろう。

本作の魅力

『ABEL』の魅力は、
主人公のカールが見る不思議な世界を歩くことの楽しさと、なぜその世界にいるのか、何が起きたのかを、限られた新聞記事などのアイテムから、考察する楽しさだ。

不思議な世界は、「Liminal Space」感があり、その手の日常にある非日常感が好きな方は歩くだけでも楽しいかもしれない。ストーリーも、何やら不穏で、主人公が関わっていることが間違いなさそうな、奇妙なスリルが楽しめる。

感想・レビュー

ウォーキングシミュレーターらしく、歩くことの楽しさや、世界の断片を見て何が起きたのかを考察していくのが非常に楽しいゲームであった。たった30分ほどでクリアできてしまうのに、内容の濃い演出と物語がよく出来ていたと思う。一方、物語重視のゲームなのに翻訳が中途半端というのは少し気になったが、そのうち修正されそうなので期待しよう。また、「Liminal Space」の考え方である日常に潜む非日常ととても似た世界となっていて、一見主人公カールの部屋から始まった現実世界のように見えるが、実はそうでもない「ねじれ」たような感覚が心地よかった。学生さんがたった3か月で作ったとは思えないレベルだった。まるで、食べたことのない味の濃い料理を1品食べたような、ちょっとした満足感のある良いゲームであった。

ABEL©2023 CNAM-ENJMIN

関連リンク

◆本ゲームを作った学校「CNAM-ENJMIN」の公式ホームページ
◆ABELのSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで配信した『ABEL』のアーカイブ
◆筆者のYouTubeチャンネル

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