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『ムベンベラジオ』の考察・全エンディング紹介・感想レビュー【ホラゲ】

ひろてく

ゲームの考察・感想レビューのブログやってます。 ストーリー性強い作品が好きで、最近は「ホラー」や「アドベンチャー」のジャンルが多めです。 YouTubeで実況もしてるのでそちらも是非。

本記事では、全エンドクリアプレイ済の筆者が

◇前半ではゲームの概要から魅力・このゲーム買うべき?をご紹介

◇後半ではネタバレありの考察・全エンディング紹介・感想レビューなどのパートを設けています

既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。

※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。

『ムベンベラジオ / Mbembe Radio』の基本情報

開発 / 販売元Gattorocco
対応機種Steam
価格Steam:¥470
ジャンルホラー
プレイ人数1人
発売日2024年5月15日
ゲームインフォメーション

ゲーム概要

これはホラーアドベンチャーゲームです。ラジオのお題に挑戦して帰り道を楽しくしましょう。楽しさには恐怖も含まれるかもしれません。

(Steamストアページより引用)

どんなゲーム?

『ムベンベラジオ』は3Dのホラーアドベンチャー

ぼくなつ風のかわいいキャラが登場する田舎が舞台の和ホラーで

そんな子どもたちの間では「ムベンベラジオ」というラジオ番組流行っている。

ラジオでは毎回お題が出されるので、子どもたちはそのお題をクリアして楽しんでいる。

しかしお題を無視すると……?

本作の魅力

ぼくは ベンベン

「ムベンベラジオ」では、恐竜のキャラクター「ベンベン」と

相方の子ども「ムー太郎」が楽しそうにお題を出している。

2人の声はAIボイスで、ところどころピッチが狂ったような、恐怖を覚える音声になっている。

ちなみにムベンベラジオの名前の由来は
「ムー太郎」と「ベンベン」の2人の名前からとったものだと思われる。

ムベンベチャレンジ

楽しい楽しいムベンベチャレンジが始まるよ。

これが今日のお題だよ。

わくわくしちゃうな。

ぼくなつライクな絵の和ホラー

悪意のなさそうな純粋な子供向けゲームのキャラクターとホラーというギャップの素晴らしさがここに生まれた。

しかしなぜ、この子にだけ名前がないのだろうか。

ホラー好きだけど買うべき?

『Five Nights at Freddy's』や『Amanda The Adventure(アマンダの冒険)』など子ども向けのコンテンツを逆手に取ったホラーゲームには良作が多かったが、本作もその1つ。なのでそういったズレた子ども向けコンテンツホラーが好きな方は買ってみてもいいだろう。しかしホラーの質で言うと、ホラーに慣れている方は正直物足りなさを感じるだろうなと思った作品だった。なぜなら、話の展開やオチが少し弱いのだ。しかし値段はフルプライスで470円であるし、マルチエンディングで4つもエンドが存在する。さらにほかに同じゲームがあるかというと無いので、経験という意味では遊んでみてもいいかもしれない。また、細かい演出などもあるので、そちらは下記のネタバレパートでお伝えしよう。

下記からネタバレありなので注意

エンディング紹介(ネタバレあり)

エンディングの分岐条件

本作はマルチエンディングであり、4つエンディングが存在する。

分岐の条件は

「お題をいくつこなしたか」

①お題を1つだけクリアした場合
②お題を2つクリアした場合
③お題を3つクリアした場合
④お題をまったくクリアしなかった場合

で4つ分岐する。

内容については下記のエンディング内容でお伝えしよう。

エンディング1

お題を1つだけクリアした場合

条件

「ムベンベラジオ」のお題を1つだけクリアして最終日にラジオを聴く。

内容

上記の条件で最終日にラジオのスイッチを付けると、長めのノイズから始まり、しばらくするとムー太郎が
「もっと 遊んでほしかったな」
と悲しそうに言い、画像のハンコが表示される。

備考

実は1番達成が難しいかもしれない。なぜなら1つだけお題をこなすためには、3日目のお題だけをこなす必要があるからだ。もし1日目のお題をクリアして3日目を無視しようとしても、なぜか3日目をスルーすることはできない仕様となっている。なので1,2日目のお題をスルーしてから3日目の迷路だけクリアして取ろう。あとさらに悲しいことに本作はエンディング系の実績はない。

エンディング2

お題を2つクリアした場合

条件

「ムベンベラジオ」のお題を2つクリアして最終日にラジオを聴く。

内容

上記の条件で最終日にラジオのスイッチを付けると、ムー太郎がその日でムベンベラジオが終了することを告げる。いつものようにムー太郎がベンベンの卵を割り、最後のお題を告げる。その内容は「寄り道せずにまっすぐ帰りましょう」だった。番組が終わることに悲しむベンベンだったが、「またみんなに会えるかな?」と聞き、ムー太郎が「うん きっと会えるよ」と答えると、またいつものようにベンベンがわくわくし、上記のハンコが表示されエンドロールとなる。

一言

一見トゥルーエンドに思えるが、なぜか本作はお題を1つ無視するごとに友達が消える。このエンドを迎えたということは、ゲンキくんとスミウエくんが消えていたはずだ。

エンディング3

お題を3つすべてクリアした場合

条件

「ムベンベラジオ」のお題を3つすべてクリアして最終日にラジオを聴く。

内容

内容はエンディング2とほぼ同じ。違う点といえば、最後のハンコが「たいへんよくできました」になっていることと、同級生がみんな無事なことだ。

一言

平和的な意味ではグッドエンディングだが、ホラーゲームとしてはバッドエンディングだ。

エンディング4(トゥルーエンド)

お題をまったくこなさなかった場合

条件

1日目と2日目にお題をクリアしなかった場合、3日目の閉じられたフェンスを調べると飛び越えることができるようになり、お題を無視することができてしまう。そしてお題をまったくクリアせずに3日目のラジオを聴くとトゥルーエンドルートへ。

内容

上記の条件でラジオのスイッチを付けると、長いノイズのあとにムー太郎が「どうして 遊んでくれないの?」と言いゲームは4日目に突入する。4日目が始まるといつも通り学校の前にいるが、その場所は霧がかっていてかなり暗い。再度自宅の方に戻りラジオを付けると、ムー太郎が「ぼくたちとあそぼうよ ハガキを送ってね」とお題を出す。ハガキは駄菓子屋の前のガチャガチャのシークレットレアで、ガチャガチャを回すには100円が必要なことが分かる。そしてすぐ近くのアイス入れの中に懐中電灯があるのを見つける。懐中電灯を点けていると光るものが見つけられるようになり、目的の100円玉を探していると再度あの真っ暗な迷路にたどり着く。動くようになった包帯人間がうようよする迷路の中でビールの蓋などが大量に散見される中、奥の行き止まりでなんとか100円玉を探し出すことに成功する。そして無事に学校の前まで戻りガチャガチャを回すと狙われたようにシークレットレアのムベンベラジオ宛の応募ハガキが当たってしまう。その後ハガキをポストに投函し、主人公のキミが、「これで、この誰もいない帰り道が終わるといいな・・・」と呟き画像のハンコが表示されてエンドロールとなる。

一言

ホラー的にはトゥルーエンド。ちなみに本作には実績がないためエンディングには名前がない。筆者が勝手にトゥルーエンドと言っている。

考察(ネタバレあり)

Q.本作のゲームの異常現象は一体なに?

考察①「単なる都市伝説」

本作はただの都市伝説と考える。
都市伝説ならどんな出来事が起きても不思議ではない。包帯人間がいた時点で普通の沙汰ではないし、空き家だったはずの家が改築され、あり得ない広さになっていたことなど、それらは超常現象以外の理由では考えにくい。しかしそれで片づけてしまっては面白味に欠けてしまう。きっとベンベンもわくわくしないことだろう。なので筆者は他の考察を考えてみた。

考察②「本作のラジオ番組はニセモノ」

お気づきだろうか。本作の一連の異常な出来事は、すべて生身の人間でも犯行可能なのだ。包帯人間についても、カラスのたくさんいる場所についても、お化け屋敷にしても、集団の愉快犯と考えれば可能な話ではある。さらに、サエちゃんとの会話を聞くと、ムベンベチャレンジは聞く人によって内容が変わるという衝撃の事実が明らかになる。また、ゲンキくんに関しては毎回同じお題が出されていたりと、キミちゃんの知っているムベンベラジオの内容とは違う。それは実行犯たちが子どもたちの持つラジオを改造し、監視し、従わないことが確認された場合は誘拐をしているのだ。その決定的な証拠は、ベンベンが毎回お題について「あやふや」なことだ。主人公のキミちゃんにお題が出された3日間で、ベンベンはお題について一度も覚えていることがなかった。さすがにお題を出すというだけのラジオ番組で、お題のことを忘れるということは不自然極まりない。すなわちそれは、愉快犯めいた誘拐目的の偽番組で、子どもごとにお題が違ったからあやふやだったのだ。4日目に当てたシークレットレアのハガキの裏面が黒く塗りつぶされていたのも、犯人グループがガチャガチャの内容を差し替えた可能性が高い。そしてその当日、ポストの郵便回収時間を書き加え、キミちゃんをおどかしていたというワケだ。また、エンドロール手前で表示されていたハンコについて、「実はあれは実行犯からのメッセージだった」と考えると、筆者は鳥肌が止まらなかった。さらに、都市伝説だったとしたら、なぜお題を無視したキミちゃんがさらわれず、周りの同級生が消えてしまったのだろうか?少しひっかかる。だがそれは、キミちゃんがメインターゲットだったと考えると腑に落ちることだろう。都市伝説の皮を被った生身の人間の仕業というのが、実は本当に恐ろしいものなのだ。

余談

「ゲンキくんのお題はかわいそう」

ゲンキくんのお題は毎回同じで、彼はひたすらシークレットレアを当てようとしていた。だが立ち止まってよく考えてみてほしい。ゲンキくんのお題については自己負担なのだ。たとえ都市伝説だったとしても人間の仕業だったとしても、金銭的な負担が伴いお題がクリアできないのはかわいそうである。しかも無関係のキミちゃんがお題を無視すると、最初にさらわれるのはゲンキくんなのもすごくかわいそうである。

感想レビュー

本作は子ども向けコンテンツに都市伝説的なホラーを交えた、最近のホラー界隈ではちょっとした流行りとも言っていい楽しいゲームだった。ホラーゲーム入門、ならば押してもいいぐらいのゲームではあったが、ホラー慣れしている人にとっては少しスパイスの足らない内容ではあった。正直もう少しエンディングのボリュームが欲しいところだったし、そうでないのならばストーリーラインにボリュームがあれば、もっと化ける可能性を持った作品だったなとは思う。そこはちょっとおしかった。
また、本作はPlayStation1の『ぼくのなつやすみ』のオマージュ作品とも言えるだろう。そのゲームには有名な「8月32日」バグというものが存在し、本来終わりであるはずの8月31日に特定の操作をすることで8月32日を迎えることができてキャラや背景、セリフにノイズが走りまくるホラーゲーム顔負けのバグなのだ。本作は露骨に似たキャラクターたちや、ないはずの4日目がホラー演出として用意されているなど、まさにぼくなつホラーバグに対するオマージュ作品と言ってもいいだろう。ぼくのなつやすみはちょうど2000年発売のゲームなので、約24年の時を超えて出来た本作には、思わずベンベンもわくわくしちゃっただろうな。

関連リンク

◆『ムベンベラジオ』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画のリンク8月32日を思い出す新作のホラゲがヤバい※全4ED回収【ムベンベラジオ / Mbembe Radio】
◆筆者のYouTubeチャンネル(記事が良かったら登録して応援お願いします!)

ムベンベラジオ ©2024 Gattorocco

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