この記事では、『Late Homework | 遅れた宿題』をクリア済の筆者が
◇前半ではゲームの概要から魅力・どんな人におすすめ?をご紹介
◇後半ではネタバレありの攻略・考察・エンディング紹介、感想レビューなどのパートを設けています
既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。
※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。
『Late Homework | 遅れた宿題』の基本情報
開発 / 販売元 | sodaraptor / Raptorsoft Games |
対応機種 | Steam |
価格 | ¥700 |
ジャンル | ホラー / サバイバルホラー / ホラーアドベンチャー |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2024年10月31日 |
コピーライト表記 | © 2024 Raptorsoft Games & Ralf Corella (sodaraptor) |
ゲーム概要
あなたはハネコとして深夜の学校を渡り歩き、宿題を回収せねばならない。固定カメラアングルとレトロ調グラフィックのホラーサバイバル。荒れ果てたホールを探索し、潜むアノマリーを避けながら宿題を見つけ出そう。
(Steamストアページより引用)
どんなゲーム?
『Late Homework | 遅れた宿題』はローポリビジュアルのクラシックな
サバイバルホラーゲームだ
ストーリーのあらすじは、
宿題を学校に忘れてしまった高校生のハネコが
このままでは落第してしまうので、深夜の学校に宿題を取りに行く―というもの。
ハネコの通う学校には都市伝説があり
言うことを聞かない生徒の魂を喰らうという恐ろしい存在がいるらしい。
果たしてハネコは無事に宿題を回収して脱出することができるのか―
こちらは2024年8月頃にitch.ioでリリースした体験版とは違い製品版である。
itch.io版は無料から好きな値段を付けてダウンロードすることができる。
本作の魅力
サバイバルホラー
サバイバルホラーなので追いかけてくる敵はもちろんいる。
対処方法は逃げるしかないので、残りのスタミナに気を付けながらダッシュして逃げよう。
サイレントヒルを超リスペクトした作品
サイレントヒル好きすぎだろー!って突っ込みたくなるぐらいサイレントヒル要素がたくさんある。
奈落の穴が空いていて進めない道、勝手にメモをして更新されていく地図、有名なトイレのシーンまで。
サイレントヒルシリーズが好きな方は絶対に遊んでみてほしい。
日本語が出てくるローポリホラー
itch.ioでリリースされるインディーホラーゲームは特にローポリ作品が多いが、本作もPSX風のローポリビジュアルゲームである。
そして作者がサイレントヒルを好きすぎたのか、本作ではゲーム内に日本語がよく出てくる。
ゲームの色んな場所を観察してみてみるのも楽しいだろう。
どんな人にオススメのゲーム?
どんな人におすすめ?
- サバイバルホラーが好きな方
- ローポリホラーゲームが好きな方
- サイレントヒルシリーズが好きな方
『Late Homework | 遅れた宿題』はサバイバルホラーだ。廊下に出没するという都市伝説の通り、廊下は危険でいっぱいだ。敵に捕まると即ゲームオーバーとなり、3回捕まるとおそらくゲームは初めからとなる。ある程度サバイバルホラーに慣れていないとクリアが危ういが、逆にサバイバルホラーが好きな方にはオススメな作品だ。また、PSX風のローポリビジュアルホラーゲームなので、ローポリを愛する方にもおすすめしたい。さらに本作の開発はサイレントヒルシリーズが大好きなんだろうなと強く伝わるほどサイレントヒル要素が多い。サイレントヒルが好きな方も、どんなものかと遊んでみるのもいいかもしれない。
下記パートからネタバレ注意
◆攻略:バルブの部屋 / かわいい画像のパスコード
バルブの部屋
本作唯一のムリゲーポイント。
こちらは、すぐ近くにあるメモにヒントが載っていて、そこに書かれた5回の文章が、回すバルブと対応したものとなっている。しかしそれは英単語がヒントとなっており、日本語訳された状態だと意味不明で、解くことはムリゲーに近い。なのでここに答えを残していこう。筆者は海外インディーゲームに慣れていたのでなんとか解けた。
5つの文章が表示される順番は、おそらくゲームプレイごとにランダムとなっているので解き方をお伝えする。
「ボイラー室の壁のレンガ積みを終えた。中途半端な男でいるのはうんざりする。」
→「中間」が答え
「これであのバカ共に見つかることはない。この壁と私の威厳だけが私に残された全てのもの」
→「左」が答え
「校長はアレがどれほどヒドいことになるのか知っていた。私は彼に言おうとした。私はいつも正しかったから」
→「右」が答え
「アレが私を追い越すのは時間の問題だ。誰が見ても、私は真っ二つに引き裂かれていることだろう。」
→「中間」が答え
「彼女はずっと私の職場にいる。彼女は決して離れない。アレにとって、物事が正しくあることは二度とないだろう。」
→「右」が答え
表示された順番に、バルブを5回まわそう。
かわいい画像のパスコード
学校のエントランスにあるPCを開くと、パスワードロックがかかった
「かわいい写真」というフォルダがある。
パスコードの答えは「イベント00537.avi」の映像にある。
映像ではゲームのストーリーに関連した映像と、このパスコードに使われている文字が表示される。
その文字は一度に4種類、合計5回表示される。
答えは2本の棒に囲まれた文字なので、表示された棒で囲まれた文字をメモして、順番に入力していこう。
こちらのパスコードについてはプレイのたびに答えが変わるものではないので、答えをここに置いていこう。
最後の文字は、右から2番目の文字だ。
中には6枚のかわいい猫画像が格納されている。
全部かわいい。
ストーリー解説・エンディング紹介(ネタバレあり)
ストーリー解説
フシギナ学校の生徒であるハネコは、落第の危機に瀕していた。明日が提出期限の宿題を学校に忘れてしまったのだ。深夜の学校には恐ろしい存在が出るという都市伝説に負けず、ハネコはバスに乗って学校に向かう。ハネコはバスに乗っている途中で、チャットアプリで母親と連絡を取っていた。母親も学校の都市伝説を知っていたのでハネコを止めるも、ハネコの決心は固く、ハネコはスマホを閉じて到着を待った。学校前のバス停でバスを降りると、そこは不気味な夜の学校だった。学校に入る扉は施錠されていたので鍵を探していると、その先々でハネコは恐ろしい存在を垣間見ることに。なんとか鍵を手に入れて学校に入ると、なんとエントランスゲートが閉じてしまいハネコは学校に閉じ込められてしまう。ハネコは学校に散りばめられた宿題を回収しつつ、ゲートを開ける方法を探すことに。廊下には1匹、人とは思えない不気味に光る赤いモンスターがうろついているので、うまく逃げながら宿題を回収したり、落ちている日記を読んだりした。日記は3年前に失踪した生徒が書いたと思われ、ハネコは内容を見るとゾッとした。それから探索は続き、ついにハネコは魔法陣で封印された部屋にたどり着く。そして部屋の奥へと進むととんでもないものを目にしてしまう。それは日記を書いた本人だった。血がしたたりながら首をつった状態で見つけてしまい、ハネコは絶望してしまう。落ち着きながらその部屋のさらに奥に進むと、これまで襲ってきたモンスターの卵のようなものが大量にある部屋があり、そこでモンスターが生れ落ちる瞬間を目撃してしまう。恐怖のあまり部屋に戻ると、首をつった人は消えており、代わりに「救いの鍵」がぶら下がっていた。それを使って部屋を出ると、学校は元の姿に戻っており、最後の宿題も見つかり、ゲートを開けるためのIDバッヂまで入手する。エントランスに戻り、IDバッヂを用いてゲートを開けることに成功した。そして学校の外に出ることでエンディングへ。
エンディング紹介
なんとか学校を脱出すると、外は朝になっていた。ちょうど到着したバスに乗り、
「生きている限り、二度とあの学校には戻らない。」
とハネコは決心し、頭痛薬と思って飲んでいた薬をバスから捨て、その容器を見るような視点で止まり、エンドロールを迎える。
考察:エンディングの意味 / 夜の学校の正体(ネタバレあり)
エンディングの意味
学校中に散らばっていた日記の持ち主は、3年前に失踪したことで知られるフシギナ学校の生徒ミツキさんだった。学校のカウンセラーであるトモ先生は、生徒に「ベラキシジン(もちろん現実には存在しない)」を与えており、ミツキさんも例外なくその薬を処方されていた。ミツキさんの症状は、頭重感や思考能力の低下、幻覚などがあり、そして最後の日記から察するに、末期症状としては人間性までもが失われていた。
ゲーム冒頭のムービーでは、主人公のハネコも頭痛に悩んでおり薬を服用していたシーンがある。ゲームのエンディグでエンドロールに入るときにそのピルケースがアップになるが、そこには「TOMO」と書かれており、それはミツキさんたちが服用しておかしくなった薬と同じものだったのだ。同じくゲーム冒頭のムービーで、ハネコは自分の学業成績に悩んでおり、前回のテストはすべての教科がまったくダメだったと言っていた。自分でもおかしく感じるほど思考力が低下していたのだ。それはまさしく、ミツキさんが日記で残した体験とまったく同じもので、自分もあの学校に実験されていることに気づき、エンディングでは「生きている限り、二度とあの学校には戻らない」と言ったのだ。それがエンディングの意味であると推測できる。
夜の学校の正体
あの学校はどこまでが現実で、どこまでが幻覚なのだろうか。
学校に通っていることは、ゲーム冒頭のムービーで母親も知っていたので学校が存在していることは事実だろう。ところが、IDバッヂの落ちている部屋の資料では、8カ月前にミツキさんが失踪してから、ミツキさんの両親が学校に不信を抱き捜査が始められたことが、ハネコにとって昨日の日付で記されていたのだ。そしてその資料はハネコが「救いの鍵」を使ってから、まるで現実に戻ったかのような、あの恐ろしい敵もいない世界に戻った後の資料だった。そこから考えると、ハネコは飲んでいた薬ですでに時間の感覚も狂っていて、今までみてきた怪物などは薬の症状である幻覚の一種だったのだろう。そして今回の考察の肝となる考え方だが、もしもトモ先生を善と前提にするならば、単に処方していた薬の副作用があまりにもひどく、あの学校での悪夢のような体験はすべて薬の副作用であり、救いの鍵を見つけたことは、薬の副作用に気づいたことのメタファーであったと考えると辻褄も合うあうのではないだろうか。学校に陥没穴が空いたり、現実味のないモンスターが廊下をうろついていたりと救いの鍵を見つけるまでは現実ではありえないことが起きていたのに、救いの鍵を見つけただけで陥没穴やモンスターは消えたのだ。ならば薬による幻覚というのが一番腑に落ちる。
もっとも、本作の開発者はサイレントヒルが好きすぎるので、あの学校にハネコが呼ばれた、というサイレントヒル的な解釈で考察することもできる。超自然的な学校が生徒を呼び、夜に喰らっていただとか。しかしそれでは本作らしさのある考察とは言えないので、あえて誰も考えていなさそうな考察をしてみた。
感想レビュー(ネタバレあり)
サイレントヒル好きすぎだろう!って思うぐらいサイレントヒル要素にあふれた脱出系のホラーゲームだった。隠し要素も楽しく、猫の画像が見れた時は思わず頬が緩んでしまった。さまざまなアイテムを使ったり暗号を解いて進むゲーム性や、ゲームクリア時に腕前が集計される点などなど、古き良きレトロホラー感があって良かったように思う。一方、ゲームには独自性を持たせており、エンディングに含みを持たせていた点も評価すべきだろう。本作の主人公がもし人間ならばサイレントヒルのパクリなどと言われたかもしれないが、主人公は猫だし、謎解きの報酬でもらえるのも猫の画像なのだ、これは独自性という他ないしオマージュ作品だと言えよう。
また、ゲームボリュームについては、筆者のプレイで1周目は1時間ほど。ハードモードが用意されていたり、全衣装の開放などをしていたらその10倍以上は遊べるに違いない。これで700円というのはまったく高いとは思わないので妥当かと思われる。猫の画像フォルダを開放したら上記画像の「witch」が開放されたが本当にかわいい。周回するにしても衣装が多いというのは、飽きにくく工夫された点と評価できる。
1点だけ難しかったのはバルブの部屋の謎解きだろうか。左、中、右から5連続で正解を選ばないとゲームが進まないものだが、英語の単語を前提とした謎解きだっただけに、日本語に翻訳された文章ではまったく解くことが不可能なレベルだったのであれだけは惜しい。ではどうするか?筆者はインディーホラーゲームで困るであろうポイントを攻略としてついでにそっと載せておくのだ。すると困った人は、ダメ元で検索すると攻略があったぞと喜んでくれる。そうだ、この世界も捨てたものではないと思ってくれるかもしれないのである。一種の社会貢献だ。それが筆者がこっそり攻略を載せる理由だったりする。
そういえば最近はitch.ioで体験版を出して評価を受け、評判だとSteamで多数の言語に対応した製品版を出してくれる作品が増えたように思う。筆者も実は2タイトルほど別にそういうタイトルに目をつけているのだが、そちらも日本語対応したらぜひ遊んでみたいと思う。ぜひその時は動画も記事も見てもらえると幸いだ。
でもやっぱり
猫画像最高です
関連リンク
◆『Late Homework | 遅れた宿題』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した配信のアーカイブ動画【Late Homework | 遅れた宿題】宿題忘れたら中学校を落第するホラーゲーム
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