ゲームレビュー

『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』の考察・攻略・エンディング解説・感想レビュー

ひろてく

主にホラゲの考察や感想記事を書いてます。 ストーリー性の強い作品が好きで、たまに映画の感想記事も。

本記事では、クリアプレイ済の筆者が

◇前半ではゲームの概要から魅力・どんな人にオススメのゲーム?をご紹介

◇後半ではネタバレありの考察・全幽霊やまいきーの位置などの攻略情報・エンディング解説・感想レビューなどのパートを設けています

既プレイの方も未プレイの方も是非ご覧ください。

※本記事は恐怖画像や恐怖描写などの表現を含むため、苦手な方はご注意ください。

『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』の基本情報

開発 / 販売元Chilla's Art/ Chilla's Art
対応機種Steam
価格¥920
ジャンルホラー
プレイ人数1人
発売日2025年1月10日
コピーライト表記© Chilla's Art, LLC® 2024 2025
ゲームインフォメーション

ゲーム概要

主人公は公園におり、そこからゲームは始まります。 主人公は特殊なカメラ=“霊を写すことができるカメラ”を持っています。 そのカメラを使って写真を撮っていくと…

(Steamストアページより引用)

どんなゲーム?

『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』は一人称視点の
ホラーアドベンチャーゲームだ。

有名インディー開発「チラズアート」の最新作ホラーゲームとなる。

あらすじは

先日、亡くなった娘が成仏できずにこの世をさまよっていることに嘆く父親の主人公は

「故人 成仏 方法」でググり、とあるウェブサイトを見つける。

「成仏館」というそのサイトによると、

霊媒師が作ったカメラで故人の写真を15枚撮ってアップロードすると、その人は成仏できるらしい。

胡散臭い話だが、藁にもすがる思いで、主人公は写真撮影を始めるのだった――

ちなみに本作はチラズアートにしては珍しく、エンディングは分岐せず1種類のみである。

本作の魅力

幽霊×デジカメ

霊媒師が作ったというデジカメ。

このカメラを通してのみ、娘の霊の姿を捉えることができる。

霊媒師×メカニックでもある。

高画質とレトロ画質の狭間

本作はアンリアルエンジン5で作成された美麗グラフィックと、デジカメを通して見るVHS画質の双方を楽しめる。

ところが幽霊はデジカメにしか映らないので、

高画質で幽霊が見られないのが歯がゆいところ。

散りばめられたヒント

公園にはさまざまな組み合わせの数字が散りばめられている。

この番号を公衆電話でかけると......

ヒントをくれる。

どんな人にオススメのゲーム?ゲームが重い方へ

どんな人におすすめ?

  • 開発[Chilla's Art]が好きな方
  • 1時間ほどでクリアできる短編ホラーゲームが好きな方
  • 幽霊xカメラの組み合わせホラーが好きな方

『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』は2025年1発目のチラズアートの最新作だ。1年に2本のペースで良ホラーゲームをリリースしてくれるので、ファンも多いことだろう。もちろんファンにはオススメできる作品であるし、今回はボリュームが控えめなので、早い人だと1時間もかからずにクリアできてしまう。なのでサクっと遊べる短編ホラーが好きな方にもオススメだ。また、ホラーにおけるレトロやVHS画質の虜になっている方は意外と多い。本作はそんな方にもオススメできるホラーゲームだ。

ゲームが重い方へ

本作はグラフィックスの初期設定がとんでもなく高品質となっている。初期設定だとラグりまくってしまう方も多いと思うので、下記の設定を推奨する。

  • まずはグラフィックプリセットをMEDIUM以下にする
  • 仮想シャドウマップがOFFになるので、それだけをONに変える
  • フレームレートを60に設定する

筆者はこの設定でサクサク動くようになった。

下記パートからネタバレ注意

◆攻略:全幽霊の位置 / 全まいきーの位置 / 家のバトル

夕方の公園:全9種類

1枚目:女子トイレ

スタート位置の女子トイレの、少し開いたドアの中

2枚目:横断歩道の子どもたち

イタズラ好きなのね

3枚目:トンネルの遊具の中

幽霊になったこと楽しんでるだろ?

4枚目:ジャングルジム

ジャングルジムの中に入ってこの位置からでないと、デジカメにも映らない。

5枚目:すべり台の後ろから

かわいいラクガキの間に足が。正面からは見えないので後ろから撮ろう。

6枚目:折れた木

どの角度から見ても手だけが見える都市伝説の木。

7枚目:男子トイレ

高いところに登りたくなるの分かる。

8枚目:トンネルの遊具の側面

この角度から撮影可能。分かりづらいが、うっすらと大きく顔が表示されている。

9枚目:水飲み場の排水溝

そこから水を飲まなくてもいいんだよ

夜の公園:全10種類

1枚目:自販機

手が伸びたときがシャッターチャンス

2枚目:電話ボックス

横にいるのに電話してくるタイプ

3枚目:パンダの遊具の影

影を操るとは

4枚目:鉄棒

なぜ増えた

5枚目:山の遊具

HP0

6枚目:すべり台

すべり台の上からしか撮影できないレアスポット

7枚目:ブランコ

ひょっこり体が出てきたらシャッターチャンス

8枚目:男子トイレの鏡

あっち向いてホイ

9枚目:灯かりのついた家

かなり明るさを上げないと分かりづらいが、ベランダのドアから大きな目がこちらを向いている。
横にはまいきーもいる。

10枚目:タイヤの中(赤いラクガキのついたやつ)

撮影前は手だけ、撮影すると出てこようとする。

主人公の家:全16種類

1枚目:ふすまの間から

首の角度がポイント

2枚目:トレーナーの手から

イシツブテ

3枚目:トイレの中

なぜ入った

4枚目:ベランダ

これは未練の現れ

5枚目:エアコンの中

なぜ入った②

6枚目:こたつ

幸せそう

7枚目:冷蔵庫の後ろ

だ、だれだ

8枚目:カーテン

ハロウィン

9枚目:玄関

はじめまして

10枚目:お風呂

風呂場から出られないのはホラーのお約束

11枚目:洗濯機の中

なぜ入った③

12枚目:こたつの部屋のふすま

撮影前は手だけ、撮影後はこのかなり怖い写真が撮れる。
ふすまを開けると撮影できないので閉まっている状態で撮ろう。

13枚目:ごみ袋の下敷き

ジャッジが難しいけど、ギリ遊んでると思われる写真。

14枚目:キッチンと廊下の間の扉

閉めてないと撮れない。アシツブテ。

15枚目:トイレのドアの上

こういうのが1番ビビる。テレビにトイレの映像が映ったあとに出るっぽい。

16枚目:まいきー

家でまいきーとバトルしてたら勝手に埋まるやつ

全まいきーの居場所:全6ヵ所

まいきーは夜の公園に合計6ヵ所出現する。

1ヵ所目:ジャングルジムの上

そこが1番楽しい場所なんだよな

2ヵ所目:近くの茂み

しばらく見ているとひっこむ

3ヵ所目:トイレの近くの茂み

いくつか写真を撮影して、夜に一度目の放送が鳴ってから出現するっぽい。

4ヵ所目:トンネルの遊具の中

トンネルの遊具の上の写真を撮った後、中からサッカーボールを投げてジャンプスケアをかましてくるまいきー。

5カ所目:トイレの入り口

鏡の中の霊の写真をとったあとに振り向くといる。

6ヵ所目:灯かりのついた家

霊の写真と一緒に見つかる。左の大きな目が霊で、右がまいきー。

家のバトル

家でいくつか心霊写真を撮ったあと、みつかの部屋に入ろうとして追い出されるとミニゲームが始まる。

最初は何をすればいいのか分からないかもしれないが、ひたすら画像のまいきーをカメラ撮影しよう。

撮影を続けると走るようになったり、チェーンソーを持って斬りつけようとしてくるが、やることはひたすら写真を撮るだけだ。

ストーリー・エンディング解説(ネタバレあり)

ストーリー解説

先日、娘が亡くなった。主人公である父親は、この世にまだ娘の存在を感じ、苦しい思いをしていた。

藁にもすがる思いでウェブを検索していると、「成仏館」という胡散臭くて怪しいサイトを見つけた。サイトによると、霊媒師の作った特殊なカメラで愛する人の写真を15枚撮影し、そのサイトにアップロードすることでその人は成仏してくれて、さらにその人からメッセージまでもらえるという。さっそくカメラを取り寄せ、撮影が始まる。

まずは娘が亡くなった公園へ出向いた。公園のトイレで、霊的な何かに閉じ込められてしまったのでさっそく例のカメラを使ってみる。するとトイレの個室には娘の姿が写り、娘は移動した。公園のところどころで娘を撮影していると、小学校からアナウンスが流れる。子どもの行方不明者が多いので早めの帰宅を、とのことだ。ジャングルジムや遊具などで娘の姿は確認でき、5枚目の撮影が終わるとまたアナウンスが鳴り響いた。それは娘の声だった。「いつ一緒に公園にいけるのでしょうか?」と、まさに主人公に問いかけてきている。

撮影を続けていると、気づけば夜になっていた。夜はさらに多くの怪奇現象が公園で起きている。目標の15枚を目指して、主人公はひたすら公園にいる娘の幽霊の姿をカメラに収め続けた。途中、娘とは違う、ウサギの着ぐるみをかぶった不審者も目撃した。

無事に写真を15枚集め家に帰る。パソコンの前に座り、関係ない写真もある中、自ら娘の写真15枚を選んでアップロードを開始した。アップロードが終わると、動画のダウンロードが始まる。映像を開くと、何者かに追われるように、公園で娘がトイレへ逃げ込んでいる。トイレの個室へ逃げ込んだところで動画は終わってしまう。

「あの子はまだここにいる...」
そう言うと、主人公は再び家の中でカメラの撮影を開始した。やはり家のいたるところに娘がいる。冷蔵庫の後ろや洗濯機の中、楽しそうにこたつに潜ったりもしている。ある程度写真を撮影したところで、玄関には娘ではない何かがいた。そしてそいつを撮影すると、誘うように娘「みつか」の部屋の扉が開く。少し扉を開けると血痕が見え、部屋を追い出されてしまう。それから、夜の公園にいたウサギの着ぐるみをかぶった変質者が襲い掛かってこようとするので、主人公はカメラでそいつを撮影し、撮影するたびにそいつは消え、また再び襲い掛かってくる。襲い掛かり方はエスカレートし、最初は歩きだったが走ってくるようになり、最後はチェーンソーを持って走ってくるようになった。そして何度も何度も、カメラで撮影すると、ようやく戦闘シーンは終わりを迎える。

戦闘が終わると、なぜかみつかのベッドの上で目が覚める。床には学校の制服と血痕が残されている。パソコンの方に向かうと、なぜかみつかの写真が15枚並んでいた。それらをアップロードしようとすると
「ルールに違反しました:13日を超える故人がいます」とエラーが出る。ところがさきほどのエラーが嘘だったかのように、パソコンは動画ファイルのダウンロードを始める。動画の再生が始まると、そこには「みつか」が倒れるシーンと、それを心配する主人公の姿が映されていた。

動画の再生が終わると、玄関に1枚の紙が投函される。近づいて紙を見ると、それはゲーム冒頭で主人公が見ていた子どもの行方不明のチラシだった。しかしそこには、ゲーム冒頭では隠されていた行方不明者の名前「公団 愛美(こうだん まなみ)」が見えるようになっていた。

再び電話がなると、「みつか」から電話がかかってくる。「いつ帰ってくるの?」という言葉と、「もう帰ってくる?分かった」という言葉で電話が切れる。そしてエンディングへ。

エンディング解説

みつかからの電話が切れると、電話のある場所から見える風呂場の扉が開く。そこは血だらけになっていて、主人公がおもむろにデジカメを構えると、公園で何度もデジカメを通して見ていた子どもの姿が。デジカメを構えるのをやめると、肉眼で血だらけの「みつか」の姿が見える。みつかは電話の方にやってきて、1、1、0、と番号を押し、警察に電話をした。警察に「お父さんが愛美ちゃんを殺した」ことを伝えるのだった。そこから一度エンドロールを挟む。そしてエンドロールが終わると、パトカーのサイレンが鳴り響く。ノックの音も聞こえるのでドアの方にいくと、エンディングムービーが始まる。

エンディングムービーでは、離れた場所から主人公の住む団地がデジカメ目線で映され、主人公が団地から飛び降り自殺をする。そして続くように、みつかも身を投げる。その後、ウサギの着ぐるみを来た人物がカメラを手で塞ぎ、ゲームは暗転して終了する。

考察:呪いの正体は? / なぜ主人公は〇〇した? / etc...(ネタバレあり)

まいきー

呪いの正体は?

呪いの正体は、この画像のまいきーなのだが、ではまいきーは誰なのかというのがこの問いの答えとなる。
そして答えは一目瞭然で、このまいきーが着ている服は、公団 愛美ちゃんの行方不明のチラシにある黒い制服姿なので、愛美の呪いの姿である可能性が非常に高い。

なぜ主人公は愛美を殺した?

では愛美は殺されたから復讐のために呪いの姿になったのは分かるとして、なぜ主人公は愛美を殺したのだろうか?
まずは時系列で考えてみよう。
ゲームを遊んでいくと、家のパソコンで成仏館にアクセスするシーンで娘のみつかの写真をアップロードしようとすると、「違反:死後13日以内を超える人がいる」と出るが、愛美の画像をアップロードすると違反も出ずにアップロードできたため死後13日以内ということになり、みつかは愛美よりも先に亡くなっていることが分かる。
つまり分かりやすく時系列に並べると、

みつかの死亡(死後14日以上経過)→愛美の死亡(死後13日以内)

ということになる。

それではなぜ主人公は愛美を殺したのだろうか?それは犯罪心理学の話になるが、よくあるのは脳が現実を拒否することである。
写真をアップロードした1つ目の映像では主人公が愛美を追い詰める姿が、そして2つ目の映像ではみつかが倒れる姿が収められていた。
みつかが倒れた際に主人公は、みつかのことを酷く心配していたので娘のことを愛していたことが分かる。しかし主人公は娘の急逝を受け入れることができず、主人公は"代わり"を探した。それが愛美である。
ところが代わりとして愛美を追い詰めると、主人公は愛美がみつかではないことを再度認識してしまい、絶望しながら殺害した、というのが腑に落ちるだろうか。
あとはホラーによくある、愛美の呪いを用いた復讐である。みつかの好きだったまいきーというキャラクターを愛美の呪いとして具現化させ、そして愛美の復讐の末に、みつかの霊に父親の罪を警察に告白させ、ともに地獄へ送った、というところだろうか。そう考えると、ある程度綺麗にストーリーがまとまる気がする。

また、上記の「みつかの代わり説」は犯罪心理学からだけではなく、主人公の行動からも読み取れる。
みつかが死んだ場所はおそらく自宅なのに、冒頭のムービーでは、公園で殺した愛美のチラシを見ながら、「先日、近くの公園で娘が死んだ」と言っているので、やはりその娘とはみつかの"代わり"としての愛美である可能性が高く、代わりと思っているという根拠として強いだろう。

愛美ちゃん策士すぎない?

8歳の子どもとは思えないほど知能が高い。呪いとなり、まいきーを作り出し、ウェブサイトも作り、特殊なカメラも作り、みつかに警察に電話させ、主人公もろとも追い詰めるまでのすべてを計画通りに進めた。しかも自分を殺した犯人に、自分のことをカメラを通して何度も認識させまくって主人公への復讐として極限まで恐怖を与えていたのだ。まったく、惜しい人を亡くした。

タイトルについて

なぜタイトルは「呪いのデジカメ」ではなく「呪われたデジカメ」なのか。
それはデジカメが呪いの本体ではなく、あくまでもデジカメは呪われた被害者で、本体は愛美ちゃんである。
よって正しいタイトルは
『(愛美ちゃんに)呪われたデジカメ』

そういえばまいきーがでかいのはなぜ?

小さいと怖くないからなのだ。

小ネタ

ゲームタイトルの原案?

アプリケーション名(ゴーストカメラ)

もしかしたら修正されるかもしれないが、リリース初日の本作のアプリケーション名はゴーストカメラになっている。

これはタイトルの原案かもしれない。

まあたしかに「お化けカメラ」よりは
「呪われたデジカメ」のほうがチラズアートっぽい。

写真立ての形

ゲーム終盤で見つかる娘みつかの写真。黒塗りのこの写真立ては、実は遺影飾りである。細かいこだわり。

感想レビュー(ネタバレあり)

2025年、チラズアートの最新作が年明けすぐにリリースされた。今回はグラフィックが過去最高に美麗で、舞台は単なる公園なのにとても綺麗な場所に見えた。ゲーム性は、ヒントをもとに心霊写真を撮りに行くという楽しいシステムとなっていて、ヒントがかなり分かりやすいため、丁寧なゲーム作りがなされていたように思う。

ゲーム全体の評価としては、今回ちょっとボリュームが少ないが、相変わらず間口の広い、分かりやすいホラーを提供してくれる安定のチラズアート作品だった...と言いたいところなのだが、まったく個人的な理由で「惜しい」という評価に至った。それは、地獄銭湯の「風太」や、誘拐事件の「まさひろくん」をはじめとした、幽霊でも犯罪者でもない個性的なヤバいキャラが一切出てきていないからなのだ。

もちろんゲーム全体をホラー作品として見るならば、叙述トリックを用いたストーリーは、ベタだが短編としては悪くないものだ。ただ、やはり「個性的なキャラクターが、個性的な声優の声でしゃべる」といういつもの楽しさが得られなかった分、チラズアートの作品としては物足りなかったというのが評価であり感想となった。

みんなも見たかったよな?

地獄銭湯より友情出演
誘拐事件より友情出演

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関連リンク

◆『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』のSteamストアページ
◆筆者がYouTubeで実況投稿した動画のリンクチラズアートの新作ホラークリアまで遊んでみた
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